人生観が変わる…久能の言葉に心が救われるワケ。映画『ミステリと言う勿れ』に登場する4つの”神セリフ”を徹底考察&解説
菅田将暉主演の映画『ミステリという勿れ』が現在公開中。11月6日の時点で興収44億に達し大ヒットを記録。主人公・久能整のセリフに刺さる人が続出し、これからも記録は伸びそうだ。なぜこんなにも彼のセリフは人の心を動かすのか。今回はそんな名言を、彼の魅力とともに紹介する。(文・斎藤香)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
久能整はなぜこれほど人を惹きつけるのか
累計発行部数1800万部を突破している田村由美による人気漫画『ミステリと言う勿れ』。2022年に放映された連続ドラマは、主人公・久能整を演じた菅田将暉のキャスティングがズバリと当たり、高視聴率を獲得した。
そして映画になって帰ってきた『ミステリと言う勿れ』は、11月6日の時点で興収44億に達して大ヒットとなっている。
そこで、映画『ミステリと言う勿れ』の魅力を探っていこうと思う。映画版は原作漫画の2〜4巻に収録されている「広島編」で、ファンの間でも人気の高いエピソード。久能整の魅力と共に、この映画における彼の名言を考察していく。
久能整は大学生。天然パーマがトレードマークでいつもマフラーをぐるぐる巻きにしている。カレーをこよなく愛し、友だちも彼女もいないけれど、それほど気にしていない。普通なら見過ごしてしまうような小さな違和感にも気づき、膨大な知識と独自の見解で持論を展開する。
「僕は常々思っているのですが」と始まる彼の持論は、人の嘘や言葉の裏にある真実を見抜き、理路整然と解き明かしていく。しかし、決して人を責め立てたりしない。あくまで自分の見解として淡々と語るところが魅力だ。
また、その卓抜した人間観察の力は大隣署の警部や巡査からも頼りにされている。探偵でもないのに、いつも捜査に協力する羽目になり、巻き込まれてしまうが、彼の真理を突く言葉は、犯人の心も揺らす。
ヒーローでもアンチヒーローでもない、カテゴライズされないキャラクター、久能整だからこそ、惹きつけられるのだ。
映画『ミステリと言う勿れ』は、ストーリー、登場人物など原作に忠実。もちろん映像化するため、脚色で少し変えているところはあるが、それほど気にならない。
この映画のヒロイン、狩集汐路(原菜乃華)から狩集一族の遺産相続の謎を解いてほしいと依頼され、汐路とともに狩集家に向かうところから、久能整は狩集一族にまつわる歴史と謎に足を踏み入れていく。
そして、汐路の父の死の謎を紐解くプロセスの中で名言を残していくのだ。