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原作を超えた… “アシリパ”山田杏奈の演技が絶賛される理由とは? 実写版『ゴールデンカムイ』キャラクター再現度評価&考察

1月19日(金)に公開された映画『ゴールデンカムイ』。公開直後から大好評の声が上がる本作。実写化あるあるの「解釈不一致だ」という意見はほぼ見当たらず、多くの人が満足する仕上がりとなった。今回はアシリパを演じた山田杏奈にフォーカス。原作ガチファンの筆者による実写でのキャラクター再現度について解説する。(文・ジュウ・ショ)

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【著者プロフィール:ジュウ・ショ】

フリーランスとしてサブカル系、アート系Webメディアなどの立ち上げ・運営を経験。コンセプトは「カルチャーを知ると、昨日より作品がおもしろくなる」。美術・文学・アニメ・マンガ・音楽など、堅苦しく書かれがちな話を、深くたのしく伝えていく。→note

アシㇼパ(山田杏奈)は大人びた雰囲気がむしろ原作を超えた?

山田杏奈【Getty Images】
山田杏奈Getty Images

次にアイヌの少女・アシㇼパだ。公式で年齢は公表されていないので真偽不明だが、キャラデザ的に「12歳くらいじゃないか」という考察がされている。身長も小学生高学年くらいである。

そんなアシㇼパを演じた山田杏奈さんは23歳・159cm と原作より大きいが、まったく違和感なかった。なんなら、子役だったらアシㇼパの大人びた雰囲気と、力強さを再現できなかっただろう。

アシㇼパは親を早くに亡くしているせいか、山で狩猟をしながら生きているせいか、年の割に大人びている。たまに杉元を含めた周りのおじさんたちが、どうしようもないガキンチョに見えるレベルだ。アシㇼパのこの一面を素晴らしく再現していた。

一方で寂しがりな側面もある。例えば父を失い、ずっとかわいがっていたエゾオオカミのレタラが山に帰っていくシーン。アシㇼパが寂しさから大号泣する場面だが、再現度がすごかった。原作を超えるレベルだったと思う。

また個人的にはアシㇼパの魅力は、ほうれい線むき出しの表情だと思っている。映画完成発表の際、山田はスマートフォンで何度も自撮りをして表情を練習していたと話していた。

映画終盤の「おそるおそる味噌を食べるシーン」などでは、ほうれい線むき出しの表情をしっかり再現しており、その女優魂に心が震えた。本当に「山田さんありがとうございます」という気持ちでいっぱいになったのは筆者だけではないはずだ。

(文・ジュウ・ショ)

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