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山田太一の原作が英国で賞総なめ…その理由とは? 『異人たちとの夏』のリメイク映画を徹底解説。大絶賛の海外評を紹介

text by 編集部

北米、英国で公開中の原作の映画『異人たち』。本作は、日本を代表する脚本家・山田太一による小説『異人たちとの夏』を原作にアンドリュー・ヘイ監督がメガホンをとった作品。映画評論サイトで高評価を獲得する本作は2024年4月に日本でも公開を迎える。今回は、本作の内容を現地メディア米Colliderのレビューと共に紐解いていく。

ミステリアスで美しい映画『異人たち』が英国インディペンデント映画賞を総なめに

左からクレア・フォイ、アンドリュー・スコット、アンドリュー・ヘイ監督、ジェイミー・ベル
左からクレアフォイアンドリュースコットアンドリューヘイ監督ジェイミーベルGetty Images

映画『さざなみ』(2015)や映画『荒野にて』(2018)のアンドリュー・ヘイ監督が、日本の作家である山田太一の名著『異人たちとの夏』を原作に製作した映画『異人たち』(2023)。

原作は山田太一による長編小説『異人たちとの夏』であり、第1回山本周五郎賞を受賞。2003年には英訳され海外でも刊行されている。

日本では1988年に同作を原作とし、市川森一の脚色で大林宣彦が監督を務め、風間杜夫、名取裕子、片岡鶴太郎、秋吉久美子の共演のもとで映画化し、大ヒットを記録している。

本作、映画『異人たち』は、山田太一の独特なストーリーに、ヘイ監督の脚色と演出が加えられたイギリスを舞台とした現代版の作品となる。

大林宣彦の映画『異人たちとの夏』は、日本映画史の中でも独特な存在感を持つ作品だが、今回ヘイ監督の手により再映画化された映画『異人たち』も、現地時間12月3日に発表された英国インディペンデント映画賞(BIFA)において、作品賞・監督賞・脚本賞・助演男優賞(ポール・メスカル)・撮影賞・編集賞・音楽監修賞等、主要部門を独占し最多の7冠に輝いた。

また、米映画批評サイト「ロッテン・トマト」 では現在“96%という高評価を獲得している。

出演キャストは、映画『007 スペクター』(2015)のアンドリュー・スコット、映画『aftersun/アフターサン』(2022)のポール・メスカル、映画『SKIN/スキン』(2018)のジェイミー・ベル、映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(2022)のクレア・フォイと、非常に豪華な顔ぶれが揃っている。

現地メディアでは早速本作のレビューが公開されているので今回はそんなレビューと一緒に、ミステリアスで美しいと評判の謎多き本作を紐解いていく。

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