怖くて気持ち悪い…“二階堂兄弟” 栁俊太郎の芝居に魅せられるワケ。実写版『ゴールデンカムイ』キャラクター再現度評価
text by ジュウ・ショ
1月19日(金)に公開された映画『ゴールデンカムイ』。公開直後から大好評の声が上がる本作。実写化あるあるの「解釈不一致だ」という意見はほぼ見当たらず、多くの人が満足する仕上がりとなった。今回は栁俊太郎が演じた二階堂兄弟の再現度について、原作ガチファンの筆者が解説する。(文・ジュウ・ショ)
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【著者プロフィール:ジュウ・ショ】
フリーランスとしてサブカル系、アート系Webメディアなどの立ち上げ・運営を経験。コンセプトは「カルチャーを知ると、昨日より作品がおもしろくなる」。美術・文学・アニメ・マンガ・音楽など、堅苦しく書かれがちな話を、深くたのしく伝えていく。→note
二階堂兄弟(栁俊太郎)の
オリジナルシーンが素晴らしいワケ
狂気のサディスト、二階堂浩平・洋平の双子も今作では、欠かせないキャラクターだ。俳優の栁俊太郎が一人二役で演じている。
とにかく「殺意の高さ」が特徴のキャラクター。今作でも描かれたが、拷問中の杉元をこっそり殺そうとするくらい殺意が高い。洋平が杉元に返り討ちに遭った後、浩平は「杉元を殺す」という一点だけがモチベーションとなり金塊探しに同行するようになる。
その気味悪さは、実写でもしっかりと再現されていた。特に洋平が殺されたあとに怒りと悲しみで泣き崩れるシーン。原作では1コマ分くらいしか描かれないが、映画では獣のように泣き叫ぶ浩平の姿が映される。これがかなり迫力があり、怖かった。
また何と言っても最後の「馬車のそりの上で杉元と戦うシーン」の迫力が素晴らしかった。これは原作にはなく映画で追加された場面だが、”くねくねしながら戦う絶妙な気持ち悪さ”が二階堂の狂気的な部分を表していて、素晴らしい。
次回作以降、原作ではだんだんと幼児退行していくキャラクターだが、そのかわいらしい姿も楽しみだ。
(文・ジュウ・ショ)
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