プライドをかなぐり捨てた二階堂ふみの演技
今作では、どちらか言うと脇役に回った、壇ノ浦百美(二階堂ふみ)。この配役・脚本の妙にも拍手を送りたい。
前作では、ほぼ主役と言っていいほど全面に出ていた彼女は、劇中では男性という設定でありながら、麻実麗に恋に落ちる。
そんな彼は、麻実麗の命令により滋賀には一緒に行かず埼玉に残るのだが、関西から送られてきた「白い粉」によって、たこ焼き中毒にかかり、関西弁しか喋れない体になってしまう
このシーンにおける二階堂ふみの演技は圧巻の一言。美人女優としてのプライドをかなぐり捨てたような振り切った芝居からは役者魂がビンビン伝わり、その風格たるや往年の桃井かおりや、大竹しのぶを彷彿とさせるほど。
そして、冷酷無慈悲な大阪府知事“関西のラスボス”こと嘉祥寺晃役を片岡愛之助、その妻である神戸市長役に、片岡の実妻である藤原紀香が登場。
両者は生粋の関西人であるため、流暢な関西弁で役柄を完璧にこなしている(この配役もお見事であり、ご夫婦揃って、相当楽しんで演じている姿が伝わってきて、実に心地よいのだ)。