ラストシーンの意味は? 世界絶賛の傑作邦画…その特徴は? 映画『運命じゃない人』徹底考察。時系列と伏線も深掘り解説
映画『運命じゃない人』イラスト:naomi.k
運命じゃない人
第48回ブルーリボン賞 スタッフ賞
第60回毎日映画コンクール 助演男優賞(山下規介)、助演女優賞(板谷由夏)、脚本賞
第27回ヨコハマ映画祭 新人監督賞、審査員特別賞
第30回報知映画賞 最優秀監督賞
2005年度新藤兼人賞 優秀新人監督賞(銀賞)
2005年 第58回カンヌ国際映画祭 批評家週間
フランス作家協会賞(脚本賞)、最優秀ヤング批評家賞、最優秀ドイツ批評家賞、鉄道員賞(金のレール賞)
- 演出:
- 13点
- 脚本:
- 18点
- 配役:
- 11点
- 映像:
- 10点
- 音響:
- 10点
映画「運命じゃない人」をあらすじ(ネタバレあり)、演出、脚本、配役、映像、音楽の視点で徹底解説! 『鍵泥棒のメソッド』で知られる内田けんじ監督の劇場デビュー作品。なぜここまで世界の映画祭で評価されたのか?伏線から生み出される脚本の魅力とは?この映画の真の魅力を徹底解明。【あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー】
運命じゃない人 あらすじ
OLの桑田真紀(霧島れいか)は同棲中の恋人と別れ、住まいを飛び出した。「一生1人で生きていく」ことを誓うも、自立するにはお金が足りない。レストランに入店すると、近くのテーブルに座っていた男にナンパされ、あっさり付いていく。
会社員の宮田武(中村靖日)は、つい最近マンションを購入したばかり。人の好い宮田は、上司から「新築の部屋をデートで使わせてほしい」と厚かましいお願いをされても、断れない。そんな中、親友の神田勇介(山中聡)から電話をもらい、夕食に誘われる。
先にレストランに着いたのは宮田である。神田は遅れて合流した。神田によると、宮田の元恋人・あゆみ(板谷由夏)が婚約するらしい。つい数週間前まで宮田とあゆみは付き合っており、購入したての新築マンションは2人の愛の巣となるはずだった。
あゆみを忘れられない宮田は、彼女の荷物を捨てられないでいる。神田は、失恋をひきずる宮田を励ますため、近くの席の女性をナンパして、宮田に紹介しようとする。神田が声をかけた女性は真紀である。
神田は宮田に花を持たせるために席を立ち、その場は2人きりになる。気まずい空気が流れる中、真紀は堰をきったように号泣。帰るところがない真紀を不憫に思った宮田は、彼女を自宅に泊めてあげることにする。
2人は真紀がハンドルを握る自転車で宮田の自宅に向かう。途中で「便利屋山ちゃん」と書かれたトラックに轢かれかけるが、事なきを得る。