運命じゃない人【ネタバレあり】あらすじ
宮田はあゆみの部屋に真紀を案内する。そして、自身も失恋したばかりであることを告げ、元カノに未練があると話す。宮田にシンパシーを覚えた真紀は彼に抱きつくが、奥手な宮田は真紀から離れ、風呂場にお湯を沸かしに行く。
そんな中、突然あゆみが帰ってくる。自身の荷物を取りに来たのだ。真紀はあゆみを「勝手すぎる」と罵倒し、部屋を飛び出る。宮田はあゆみを置いて、真紀のあとを追う。真紀はタクシーに乗車するが、宮田は必死に追いかける。追いついた宮田は真紀に電話番号を尋ねる。「このまま別れたらもう二度と会えない」。電話番号が書かれたメモを受け取った宮田は、嬉しさのあまりガッツポーズをする。
時制はその日の夕方に遡る。神田の元にあゆみが訪ねてくる。神田はあゆみを密かに調査しており、彼女が詐欺師であること、宮田から金をせしめるのに成功し、他の標的に乗り移ったこと、現在は暴力団組長・浅井(山下規介)の情婦であることを突き止めていた。
あゆみは浅井の金を盗んで逃亡中であり、神田に助けを求めに来たのだった。神田はあゆみを突き返そうとするが、火の粉が宮田に及ぶのを恐れ、あゆみの国外逃亡を助けるハメに。その際、神田はあゆみに浅井から盗んだ金を全額返済するように約束させる。
神田はあゆみから合鍵をもらい、彼女のパスポートを取りに宮田の家を訪れる。無事パスポートを取り、トイレで用を足していると、宮田が帰宅。神田はトイレから宮田に電話をかける。夕食に誘い、外におびき出すことで、バレないで済むのだった。
その後、神田は配達員を装って浅井組の事務所を訪れ、金が入ったバッグを置いて去る。あゆみは神田からパスポートを受け取ると、遠くへ逃げる。
時制はレストランのシーンに戻る。神田は真紀をナンパして、宮田に引き合わせる。すると、強面のヤクザ2名が入店。彼らに見つからないように席を立つ神田だったが、あえなく見つかり、事務所に引っ張り込まれてしまう。神田が席を立ったのは、宮田と真紀を2人きりにさせるためではなかった。
浅井組の事務所に着くと、そこにはあゆみがいる。彼女も逃亡中に捕まったのだった。神田はこっぴどく痛めつけられるも、あゆみから貰った謝礼の100万円を差し出す代わりに、解放してもらう。
神田があゆみから預かり、事務所の前に置いたバッグには金が入っていなかった。神田は、あゆみが宮田の部屋に金を隠したのだと思いあたり、急いで宮田の家に向かうも、あゆみの荷物はすべて捨てられていた。真紀の電話番号をゲットして有頂天な宮田とは対照的に、神田は肩を落とす。
時制は再びその日の夕方に遡る。浅井は情婦のあゆみや子分に札束を見せつけては、金庫にしまう。しかし、それらはすべて「便利屋の山ちゃん」の力を借りて製造した偽札であった。資金難に苦しむ現実を見抜かれまいとして、浅井はあゆみや子分の前で見栄を張っていたのだ。
何はともあれ、あゆみが盗んだのは偽札である。浅井は紙幣偽造の事実が広く知られるのを恐れ、身内だけであゆみを探すように指示。神田が事務所の前に置いたバッグの中に偽札は入っておらず、女性用の下着と神田の名刺が入っている。
浅井は神田の仕事場を訪れ、机に置かれたファイルから、あゆみの素性を知る。浅井は偽札があゆみの婚約者であった宮田のマンションにあると直観し、「便利屋の山ちゃん」の力を借りて宮田の家に忍び込む。浅井は部屋で偽札を発見。しかしタイミングを見計らったように、真紀を連れた宮田が帰宅。浅井はとっさにベッドの下に身を隠すのだった。
真紀に抱きつかれた宮田は、お湯を沸かしに風呂場に行く。1人になった真紀は、段ボールから札束を発見し、自身のバッグに入れる。程なくして部屋にあゆみがやってくる。真紀は逃げるように部屋から飛び出し、宮田はその後を追っていく。1人部屋に取り残されたあゆみは、隠していた札束を回収しようとするが、ベッドの下から姿を現した浅井に捕まり、事務所に連行される。
宮田の部屋から金(偽札)を盗んだ真紀は、タクシーに乗って遠くへ逃げようとするが、宮田に追いつかれてしまう。とっさにデタラメの電話番号を渡し、その場を逃れるのだった。しばらく経ち、宮田は真紀からもらった番号に電話を掛けるが、つながらない。神田に「お前は騙されたんだ」と諭されるも、ピュアな宮田は「あの人はそんなことをする人じゃない」と聞く耳を持たない。
「一生1人で生きていく」と心に誓った真紀だったが、宮田を裏切って逃げることを良しとしなかった。彼女は宮田のマンションに戻り、玄関のチャイムを押す。そこに宮田から部屋を借りる約束をしていた上司がやってきて、真紀の隣に並ぶ。2人は宮田が玄関の扉を開けるのを待つ。