どん底からの這い上がる狂気な再起
西寺によって過保護なまでに守ってもらいながらも、ツチヤの人間嫌いな性格は一向に直らず、スタッフに盾突いた挙げ句、LINEに「人間関係不得意」という言葉を残し、逃げ帰るように大阪に戻ってしまう。
ネタを書くことでしか自分を表現できないツチヤの肉体は、既に悲鳴を上げており、血尿や血便が出るまでに悪化していた。それでも西寺はツチヤを見捨ててはいなかった。東京での単独ライブに招待し、エンドロールの「構成」の欄にツチヤの名を記していたのだ。
しかし大阪に戻ったツチヤは、ピンクとミカコに励まされるが、誰も自分を理解してくれない現実に絶望し、店内で暴れてしまう。
その帰り、橋の上から道頓堀に飛び込むツチヤ。それは“構成作家・ツチヤタカユキ”の死を意味していた。ズブ濡れになって帰宅し、おかん(片岡礼子)に、「俺は死んだ。お笑い、もう辞めるでぇ」と呟くツチヤ。
しかし、その舌の根も乾かぬうちに、かつて5秒に1本のネタを書いていた床に座り、ネタが出ないと頭を叩きつけ、ヘコんでいた壁を足で突き破ってしまう。そこでツチヤは初めて笑顔を見せ、再びネタ作りに没頭するところで物語は終わる。