『座頭市』【ネタバレあり】あらすじ
それから市は毎日賭博場へ行くと、サイコロの音を聞いては賭けに勝ち、金を稼いだ。
市と新吉は遊郭へ行くと、2人の芸者に出会い、共に過ごすことになる。だが、市は芸者たちが自分たちの儲けた金を狙っていることに気づいた。すると芸者たちは、自分たち姉弟に、幼い頃に起こった話を始めた。
2人は鳴門屋という米問屋の子供で、親に内緒で飼っていたネズミの世話をしに家を抜け出したところ、家に盗賊がやってきて、家族を皆殺しにして金を盗まれたということだった。復讐を誓った2人は、鳴門屋でスパイとして働いていた番頭を殺すことに成功していたが、それ以上の成果は得られていなかった。
ある日姉弟は、町一番の扇屋の親分の座敷に呼ばれるが、弟が乱暴されると、姉は三味線のバチで親分を殴った。一方で市は、銀蔵が経営する賭博場で不正をした男たちを斬り殺した。源之助は急いで駆けつけたが、市は姿を消した後だった。
市と姉弟は合流し、女性の家にかくまってもらう。そして市は、姉弟の復讐の相手が扇屋の親分であることを知る。ある晩、姉弟は鳴門屋を襲った盗賊が扇屋であることを確かめるため、再び扇屋へ向かった。道すがら立ち寄った店の男(柄本明)に市と一緒に農民の女性の家にいることを教えたが、実は店の男も盗賊の一味であった。男は手下に、農民の家に火をつけるように命令し、家は全焼するが、市はすでに家を出た後であった。
扇屋で銀蔵たちと対峙した姉弟は、大人数に囲まれてピンチに陥るが、やってきた市によって救われる。その後源之助の元へ向かった市は、彼と戦って勝利するが、深い傷を負う。姉弟の復讐を遂げた市は再び一人で放浪の旅に出た。