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主人公が次元大介じゃなくても成立した?

永瀬正敏
永瀬正敏Getty Images

個人的には、アデルのキャラ設定も、ちょっとベタすぎではないかと感じた。

しかも、ずっと車椅子に乗っているというハンディキャップを持つ身とされながら、最終決戦では、立ち上がり、次元と対峙するという、なんだかよくわからない、ブレブレな展開も巻き起こる。

さらに、アデルの腹心の部下である暗殺者・川島武(永瀬正敏)のキャラ設定にもツッコミどころがある。「自分の外見を自在に変えられる」という特殊能力を持っているのだが、正直、その能力が大した役に立っていないところも悔やまれる。

さて、ここまで書いてきて、改めて思ったことを、炎上覚悟で綴りたい。

「話の進み方、ダラッダラ! んで、次元大介の魅力は何なの? オトとの絡みはパクりとは言わんけど、映画『レオン』みたいなこと、やりたかったのかな?」

加えて声を大にして言いたいことは、「この物話、主人公、次元大介じゃなくても、よくないか」問題である。

いや、橋本監督に「次元大介」のスピンオフ映画の話が舞い込み、この話を考えたのか、そもそも、この話を思い付いたから、次元大介に結び付けたのか?

「卵が先か、鶏が先か」ではないが、その点も少々、ブレブレなのが、観ていて何か違和感を拭えないポイントである。

また、ラスト、突然現れたルパンの愛車フィアット500を目にして、次元が「今度はどんな面倒事だ?」と、心の中でつぶやくシーンもいただけない。

一言で表わすならば、安っぽい。それやったら、原作ファンがニヤリとするとでも思ったのだろうか。狙いが見え見えで冷めてしまう。

ただし、車の窓からルパン(小栗旬)が顔を出して、「じげ~ん! 早く乗れよ~」などと言わせなかったことは、賞賛に値する。もし、そうした演出があったとして、エンドクレジットに「友情出演 小栗旬」なんてあったら、最悪である。それこそ、茶番もいいところだ(単に予算の都合でできなかっただけかもしれないが)。

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