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“生きる伝説”銀幕の女王マギー・チャン日本初となる回顧上映決定。6月オープン「Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下」にて

text by 編集部

“生きる伝説”銀幕の女王マギー・チャンが日本初となる本格的な回顧上映『マギー・チャン レトロスペクティブ』をBunkamuraル・シネマ渋谷宮下にて2023年6月開催することが決定。早速解禁されたティザーポスタービジュアルと上映作品を紹介する。

【マギー・チャン(張曼玉)プロフィール】

Getty Images

1964年9月20日、香港生まれ。8歳で家族と共にイギリスに渡る。香港に戻り、18歳の時に第2位でミス・ワールド香港代表に選ばれたことがきっかけで芸能界入り。『ポリス・ストーリー 香港国際警察』(85)でのジャッキー・チェンの相手役や、『マギー・チャンのドッカン爆弾娘』(85)など、デビュー当初はおきゃんな役柄が多かったが、ウォン・カーウァイ監督のデビュー作『いますぐ抱きしめたい』(88)以降、演技派として幅広い作品に出演するようになり、1989年『仔猫のように抱きしめて』で香港のアカデミー賞と言われる香港電影金像奨最優秀主演女優賞を初受賞。以降、『ロアン・リンユイ 阮玲玉』(91)、『ラヴソング』(96)、『宋家の三姉妹』(97)、『花様年華』(00)でこれまで5回同賞を受賞しており、最多受賞記録はいまだに破られていない。1930年代に中国で活躍した大女優ロアン・リンユイの半生を描いた『ロアン・リンユイ 阮玲玉』で第42回ベルリン国際映画祭女優賞、元パートナーであるフランスのオリヴィエ・アサイヤス監督作『クリーン』(04)で第57回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞。

日本初公開から25年となる名作が
新たに誕生する劇場で蘇る

2022年12月4日(日)をもって閉館した渋谷東映プラザ内「渋谷TOEI」跡地にて、2023年6月、新たな映画館「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」がオープン。「ミニシアターの街・渋谷で30余年培ってきたBunkamuraカラーを携えながら、渋谷駅前・宮下エリアならではの刺激的なエネルギーを吸収し、これからの未来にひらかれた映画館を目指す」としている。

そのこけら落としとして、世界的な映画女優であるマギー・チャンの魅力をスクリーンにて再発見する、日本初の本格的回顧上映となる「マギー・チャン レトロスペクティブ」を開催。

デビュー当初はアイドル映画に多く出演していたものの、ウォン・カーウァイ監督作『いますぐ抱きしめたい』(88)、『欲望の翼』(90)への出演をきっかけに演技開眼し、一躍、香港映画を代表する女優としての地位を確立。以降、香港のアカデミー賞と呼ばれる香港電影金像奨で最優秀主演女優賞を最多受賞(5回)しているほか、『ロアン・リンユイ 阮玲玉』(91)でベルリン国際映画祭女優賞、『クリーン』(04)でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞するなどアジアのみならず世界中から称賛される映画女優、マギー・チャン。さらなる活躍、主演最新作を望む声は今なお多いものの、残念ながら『クリーン』以降はスクリーンから遠ざかっている。

そんな“生きる伝説”である映画女優マギー・チャンの代表作から、レスリー・チャン演じる主人公の“永遠に忘れることのできない最愛の女性”として登場し強い印象を残した『欲望の翼』(90)『楽園の瑕 終極版』(08)や、2001年にルシネマで封切公開されロングランヒットを記録し、昨年話題となった「WKW4K」特集では若い世代の映画ファンからその美しさに圧倒されたという声が多く寄せられた『花様年華』(00)といったウォン・カーウァイ監督作品をはじめ、長らくスクリーンで上映される機会のなかった傑作『ロアン・リンユイ 阮玲玉』の4Kリマスター版、世界的な評価を決定づけた『クリーン』、『イルマ・ヴェップ』(96)を上映予定。

さらに、2023年2月7日は、中国大陸から香港にやってきた男女が織りなす十年愛を描いた名作『ラヴソング』(96)の日本初公開から25年。返還の年となった1997年の香港電影金像奨で、マギー・チャンの主演女優賞をはじめ、作品賞など最多9部門で最優秀賞を獲得したあの名作が封切り当時の35mmプリントでスクリーンに帰ってくる。

新作出演が途絶えた今もなお、過去の名場面から「ファンカム」が作られ、TikTokなどのSNSでたびたび若年層に話題になるなど世代を超え影響力を増すマギー・チャン。その魅力を、今こそスクリーンでご堪能して頂きたい。

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