”もうひとつの未来”がもたらす後悔
パラレルワールドの世界はタイムリープとは違って、過去の行動によって変わってしまった”もうひとつの未来”をありのままに提示してくる。それは場合によって、過去に戻ることよりも実感のこもった後悔を登場人物に背負わせることになる。
ちょっとしたボタンの掛け違えによって、想像していた人生が反転してしまうことは往々にしてあるだろう。それでも、無限に存在するパラレルワールドという名の未来から、進むべき道を選び抜くことができるのも生きている者の宿命だ。
劇中を流れるmiletの主題歌「I still」でも歌われているように、すれ違ってもつながりを忘れることなく思い続ければ、きっとまためぐり会うことができる。
中島健人とmilet。生粋のアーティストであり、俳優としても輝きを見せるふたりの眩い演技を堪能しながら、もしもの世界で懸命に生きる人々の姿を目に焼きつけてほしい。
（文・ばやし）
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