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凄すぎる! 映画『タイタニック:3Dリマスター』を絶対に劇場で観るべき理由。人生観変わる? 話題作を深掘りレビュー

text by 吉田健二

映画『タイタニック』は、第70回アカデミー賞で14もの部門にノミネートされ、11部門で受賞し、世界歴代映画興行収入トップ3に入る歴史的大作映画だ。その『タイタニック』が25周年を記念して、3Dで劇場に帰ってきた。今回は話題沸騰中の映画『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』』のレビューをお届けする。(文・吉田健二)

『タイタニック』あらすじ

© 2023 by 20th Century Studios and Paramount Pictures

時は1912年。イギリスのサウサンプトンの港で、何があっても沈まない船と呼ばれている「タイタニック号」がイギリスからアメリカ、ニューヨークに向け、処女航海すると話題になる。

画家を目指し自由を夢見る青年ジャック(レオナルド・ディカプリオ)は、ポーカーでタイタニック号の乗船チケットを手に入れ、出航ギリギリで飛び乗る。船内では、婚約者との強引とも言える交際関係に悩む、上流階級出身のローズ(ケイト・ウィンスレット)と出会い、身分違いの恋に落ちる。

そんな中、”沈まない船”と言われていたタイタニック号は、航海の途中で氷山と衝突。船がゆっくりと沈んでいく中、階級の異なる乗客達、そして2人の恋の行方は…。

3Dリマスター版は何が違う?
『タイタニック』を映画館で観るべき理由

© 2023 by 20th Century Studios and Paramount Pictures

映画『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』では、誰もが一度は見たことのあるこの物語が、かつて見たことのない表現で蘇り、若き日のレオナルド・ディカプリオが演じた主人公の青年・ジャックの自由奔放な輝き、海の広大さ、迫力たっぷりのタイタニック号沈没シーンが解像度を増して、スクリーンに立ち上がっている。

例えば、レオナルド・ディカプリオ演じる青年ジャックが、タイタニック号の船首に行き、「I am the king of the world!”(世界は俺のものだ!)」と叫ぶ有名なシーンでは、タイタニック号が波を切り、広大な海を進んでいるその姿が、3Dによる映像と「音声オブジェクト」、「天井スピーカー」を導入した音響システム「ドルビーアトモス」の導入によって、息を呑むほどダイナミックな映像に進化している。

© 2023 by 20th Century Studios and Paramount Pictures.
© 2023 by 20th Century Studios and Paramount Pictures

そして、この映画の象徴とも言える、船首でローズとジャックが大海原を眺めながら、2人が両手を大きく広げ「I’m flying”(私飛んでいるわ!)」と叫ぶシーンでは、3D効果によって、2人が感じているであろう自由の息吹を含んだ風の質感に驚かされる。また、2人との距離が縮まり、その柔和な表情を間近で拝めるのも素晴らしいポイントだ。

また、画家志望の青年ジャックがローズの若々しい体をモデルにし、キャンバスに彼女の肖像画を描くシーンでは、絵に対する純粋な情熱を感じさせるジャックの真剣な表情と、ローズの瑞々しく美しい裸体が、奥行きのある映像で克明に捉えられる。

ちなみに、このシーンでローズの肖像画を書いているのは、レオナルド・ディカプリオではなく、キャメロン監督とのこと。米トーク番組「The late show」によると、彼女が水着を着ているところをキャメロン監督が描いたのだという。

映画終盤のシーンでは、タイタニック号の半分が沈没し、船が海に対して垂直に立ち上がり、人々が必死に海に落ちないよう、船の一部にしがみつくが、そこから冷たい海に落ちていってしまう。

零度をはるかに下回る極寒の海に投げ出された人々。死と隣り合わせの極限状態が、3Dによってさらに迫真性が増し、実際に目の前で惨劇が起こっているかのような感覚に陥る。

© 2023 by 20th Century Studios and Paramount Pictures

昨今、動画配信サービスを使用すれば、月額1000円ほどで世界中の映画作品が、自宅にいながらにして気軽に視聴できる。便利になった一方、大きなスクリーンで観ることを醍醐味とする映画そのものの本来の力が伝わりづらくなってしまったという側面は否めない。

そんな中、人々を、上映時間3時間16分という”長い旅”に誘う本作を、劇場で見ることには計り知れない価値があるはずだ。3時間超えの大長編映画というマラソンを駆け抜けた後にしか味わえない”深い感動”は、観る者の人生観を変えてしまうかもしれない。

(文・吉田健二)

【作品情報】

© 2023 by 20th Century Studios and Paramount Pictures

監督・製作・脚本・編集:ジェームズ・キャメロン
出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼーン、キャシー・ベイツ、ビル・パクストン
© 2023 by 20th Century Studios and Paramount Pictures.

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