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映画『メグレと若い女の死』 は面白い? 老獪な演出光る本格ミステリー。忖度なしガチレビュー《あらすじ 考察 解説 評価》

text by 柴田悠

第42回カンヌ国際映画祭にノミネートされた『仕立て屋の恋』パトリス・ルコント監督の8年ぶりの最新作『メグレと若い女の死』が公開中だ。推理小説家ジョルジュ・シムノン原作の世界的ベストセラーミステリー「メグレ」シリーズの傑作小説を映画化した本作のレビューを紹介する。(文・柴田悠)

恋愛映画の名匠・ルコント監督の新境地
見応えたっぷりの本格ミステリー

©2021 CINÉ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES

『仕立て屋の恋』(1989年)や『髪結いの亭主』(1990年)など、で知られるフランスの名匠パトリス・ルコント。彼の8年ぶりの最新作が、この『メグレと若い女の死』である。

原作は、『仕立て屋の恋』の原作者でもあるフランスの推理小説家ジョルジュ・シムノンの同名小説で、シムノンの最大のベストセラー小説である「メグレ警視シリーズ」でもとりわけ名作との呼び声名高い一作として知られている。

そして、主人公メグレを演じるのは、『カミーユ・クロ デル』や『シラノ・ド・ベ―ルジュラック』で知られるフランスきっての名優ジェラール・ドパルデュー。ジョン・ギャバンやローワン・アトキンソンなど、これまで各国の名優が演じてきたメグレ警視だが、本作では、身長180㎝、体重100kgという大柄な体型で、原作に忠実なメグレ像を演じている。

舞台は1953年のパリ。ある夜、シルクのイブニングドレスを着た身元不明の若い女性の刺殺体が発見され、ジュール・メグレが事件の担当になる。一体彼女はなぜ殺されなければならなかったのか。そして彼女はどんな人生を送ったのか。メグレは、血にまみれたこのドレスを唯一の手掛かりに、事件の裏に隠された真実に迫っていく…。

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