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『17歳のカルテ』 【ネタバレあり】あらすじ

クレイモアでの日々を過ごす中、スザンナは看守をはじめとした管理者たちが、患者を人間扱いしていないことに、怒りを覚える。管理者たちに反逆するリサの存在は、スザンナにとってもヒーローに近いものになっていく。また、スザンナはリサが精神障害をコンプレックスとして考えず、誇りに変えていることに感銘をうける。一方のリサも繊細な感性を持つスザンナに一目置き、信頼を寄せる。

とある雪の日。患者たちは、看守の引率の下、外出先のレストランで食事をすることになった。レストランの客の中には、スザンナの元クラスメイトがおり、患者たちの輪にいる彼女を見つけて、いじわるをする。その様子を見たリサと他の患者たちは、代わりに元クラスメイトに反撃。スザンナは仲間の存在を頼もしく思うのだった。

そんなある日、拒食症で入院していたデイジー(ブリタニー・マーフィ)の退院が決まった。デイジーが施設を去って少し経った頃、スザンナの枕元にリサが現れ、「一緒に脱走して、デイジーに会いに行こう」と誘う。スザンナはリサに手を引かれ外に出ると、ヒッチハイクで車を捕まえ、デイジーの自宅へ向かう。

2人はデイジー宅で1泊させてもらうことになった。リサは、自らを差し置いて退院したデイジーを快く思っておらず、理不尽な理由で彼女を口撃する。

スザンナの仲立ちによってその場は収まるも、デイジーは自室のある2階に引きこもってしまう。しばらくしてスザンナが様子を観に行くと、デイジーは浴室で首を吊って亡くなっていた。スザンナはリサと別れて、クレイモアに帰ることにする。

クレイモアに戻ってからのスザンナは、抜け殻のような日々を送っていた。しかし次第に「1日も早くここを出なければ」と思うようになり、カウンセリングを真面目に受けはじめる。

退院日が間近に迫った頃、リサがクレイモアに戻ってきた。リサは勝手にスザンナの日記を奪い、他の患者がいる前で読み上げる。スザンナは怒りにまかせ、リサに対して率直な思いをぶつける。「あなたは精神病院でしか生きられない、死んだも同然の存在だ」。スザンナから核心を突かれたリサは、初めて心から涙を流すのだった。

スザンナの退院日。リサはスザンナに対し、「私はまだ死んでいない」と告げ、2人は笑顔で別れる。病院から出てタクシーに乗り込むスザンナ。運転手は入院初日にスザンナを乗せたドライバーと同一人物である。「あんたを憶えてるよ」と告げられ、スザンナは笑顔を返す。その表情はかつてに比べ晴れやかだ。

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