マーティン・スコセッシ監督の新作映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』に原作者デイヴィッド・グランから賞賛の声
マーティン・スコセッシ監督の新作映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』の原作者、デイヴィッド・グランが直接撮影現場を訪問し、制作陣の努力に熱い賞賛の声をおくったようだ。今回は、そんなデイヴィッド・グランが現地メディアに明かした、同作の制作の裏側をご紹介する。
映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』原作者が見た制作現場の詳細とは
デイヴィッド・グランのノンフィクションを原作とする、映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は、1920年代に部族の土地で石油が発見された後、オセージ族の人々が次々と殺害され、その後オクラホマ州で新設されたFBIがその犯罪を捜査するというストーリーだ。
スコセッシ監督は同作の制作に際し、映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)や、『Mank/マンク』(2020)などの脚本を担当したエリック・ロスとの共同脚本を担当。
さらにこの作品には、俳優レオナルド・ディカプリオを筆頭に、ジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーン、ブレンダン・フレイザー、ジョン・リスゴー、ロバート・デ・ニーロという豪華なキャストが参加している。
カナダニュースサイトScreen Rantによると、原作者のデイヴィッド・グランは最近米Vanity Fairとの会話の中で、スコセッシ最新作の原作となった自身の著書について以下のように話したようだ。
「映画の制作過程で最も印象的だったのは、オセージ民族が直接この映画制作に関わってくれたことです。私が聞いたところでは、制作陣が実際にオセージ族と一緒に仕事をし、ストーリーを開発し、ロケまで行うという姿勢で仕事をしていたようです。多くのオセージ族が実際に映画で演技をしています」
「私は数日間撮影現場に足を運んだのですが、歴史上の人物への命の吹き込み方や、この物語の隠された真実の捉え方に本当に感銘を受けました」
「レオは、オセージ郡に移住してきた白人男性であるアーネスト・バークハートの本質、彼のキャラクター、そして悪のシステムとの共謀を非常に上手く表現しているように思えました。女優リリー・グラッドストーンも、少なくとも私が見た部分では、繊細さと感情的な力を持ち、アーネストと結婚したオセージ族の女性モリーに命を吹き込んでいます」
「スコセッシ監督や俳優達に私が感銘を受けたのは、役柄や、歴史を深く理解するために、どれだけ努力し、多くのリサーチをしていたかということです。彼らはまるで歴史家のように、あらゆる知識、記録、文書、子孫らとの対話、オセージ民族の人々との対話などを重要視し、役柄を忠実に再現するために演技に貪欲に取り組んでいました」
「この映画では、オセージ語の専門家が俳優と一緒になり、技術的に正しいオセージ語を使えるように指導していました。私は、オセージ族の人々が発言しているシーンを見ましたが、彼ら自身が、その台詞の多くに貢献したと思います」
このように、スコセッシ監督の撮影現場を、実際に数日間訪れたという著者は、オセージ族について、キャストの演技、歴史への敬意と理解など、この作品の映画化のほぼ全ての内容をとても賞賛していたようだ。
来月に控えているカンヌ国際映画祭でのプレミア上映を前に、映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』が公開している画像は1枚だけで、映像は公開されていないため、グランが実際に撮影現場を目撃し、その内容を語ることは、ファンにとって嬉しい情報だ。
豪華キャスト達が、歴史上に実在する人物に命を吹き込んだこの作品は、賞レースの季節になれば大きな注目を集めることは間違いないだろう。
なお、2023年10月6日より全米で公開される本作『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』の上映時間は、約4時間になると言われている。
映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)から20年あまり、幾度となくタッグを組んで映画史に名を刻んできたスコセッシとディカプリオの2人が、映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』で、最高傑作を更新するのを多くのファンが待ち望んでいる。
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