ホーム » 投稿 » 海外映画 » 劇場公開作品 » 「すべての俳優たちにアカデミー賞をあげたい」映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』岩井志麻子氏らによる絶賛コメント到着

「すべての俳優たちにアカデミー賞をあげたい」映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』岩井志麻子氏らによる絶賛コメント到着

text by 編集部

第95回アカデミー賞脚色賞(サラ・ポーリー)を受賞し、作品賞にノミネートした映画『ウーマン・トーキング 私たちの選択』が6月2日より公開される。この度、世界から高く評価された女優たちの演技力が光る議論シーンの本編映像と、岩井志麻子氏・北村道子氏・児玉美月氏・DIZ氏による絶賛コメントが到着した。

ベストセラー小説をサラ・ポーリーが映画化!
オスカー女優フランシス・マクドーマンド×ブラッド・ピット プロデュース

© 2022 Orion Releasing LLC All rights reserved

原作は2018年に出版され、NEW YORK TIMESブックレビュー誌の年間最優秀書籍に選ばれたミリアム・トウズによる同名ベストセラー小説『WOMENTALKING』。2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を元に描かれている。

監督は『死ぬまでにしたい 10 のこと』(03)などで女優として活躍しながら、2006年、『アウェイ・フロム・ハー君を想う』で監督、脚本家としてデビューし数々の賞を受賞したサラ・ポーリー。オスカー前哨戦でも脚色賞を数多く受賞した本作は、本年度のアカデミー賞で作品賞、脚色賞の2部門にノミネート。脚色賞を受賞し、初のオスカーを獲得した。

主演はその演技力で2度アカデミー賞にノミネートされたルーニー・マーラ。その他、Netflix のドラマシリーズ「ザ・クラウン」で主演女優賞、最優秀ゲスト女優賞と2度エミー賞を獲得したクレア・フォイ、ジェシー・バックリー、日本でも『007』シリーズ、Q役でおなじみのベン・ウィショーなどそうそうたるメンバーが出演。

出演とプロデュースを務めたオスカー女優フランシス・マクドーマンドは本作のオプション権を獲得後、ブラッド・ピットが率いる映画制作会社PLAN Bへ話を持ち込み、映画化が実現した。PLAN Bはその意欲的な映画製作で『ムーンライト』(16)、『ミナリ』(20)など数々のオスカー受賞作を手掛けている。

各界より、絶賛コメント続々到着!

アカデミー賞脚色賞受賞から注目の的となっている本作は、女性たちが集まり、自分たちと子どもたちのためによりよい世界を築くにはどう前へ進めばいいか考え話し合う物語。大半が納屋の中で展開されるストーリーを観客に飽きさせずに観せることができるのは、サラ監督による緻密に練られた脚本と、俳優陣の卓越した演技力の賜物だ。

サラ監督は本作を寓話の世界として描いたという。ある特定の宗教コミュニティが舞台の本作を、普遍的なものとして観客に感じてもらうためだ。そのこだわりを裏付けるように、出演者であるジェシー・バックリーは「(この作品に対する)私の感想は『こんな女性たちを知ってる』でした。彼女たちは私の中にもいます。人生で彼女たちのようであった時期があります」と語る。そんな本作に、岩井志麻子氏、北村道子氏、児玉美月氏、DIZ 氏より絶賛コメントが寄せられた。

岩井志麻子 作家

どこかへ逃げようかと悩んだり、敵地に乗り込もうかと迷ったりする前に、まずは話し合える仲間を見つけてほしい。女には必ず、同じ思いを持つ仲間がいる井戸端や干し草置き場が用意されているから。

北村道子 スタイリスト

女たちのパワーが集結してできた素晴らしい作品。すべての俳優たちにアカデミー賞をあげたい。

児玉美月 映画批評家

この映画がはじまった瞬間から、女たちの生と尊厳が懸けられた議論に参加を余儀なくされる。これが「過去の歴史」ではなく「進行形の現実」であることを知ったなら、もう「何もしない」ままではいられない。わたしたちは、どんな未来を選ぶ?

DIZ 映画アクティビスト

最後までどの選択をするのかわからない物語の構成や、俳優一人一人の演技の引力に強く心を揺さぶられた。この世界をより良い場所にするために、私たちにできる希望に満ちた方法を教えてくれた作品だ。

俳優陣の演技力に圧倒される
納屋での議論シーン本編映像解禁!

北村道子氏やDIZ氏が注目する俳優の演技。サラ監督自身も俳優陣の高い演技力がカギだったと語る納屋での話し合いシーンの本編映像が公開となった。

集まった女性たちに「どうする?」と問いかけるアガタ(ジュディス・アイヴィ)はオーナ、サロメの母。フランシス・マクドーマンド演じるスカーフェイス・ヤンツは信仰のために男を赦すべきだと主張するが、クレア・フォイ演じるサロメは呆れたように笑って立ち上がり、赦さないと主張する。

男たちを赦して天国に行くか、赦さず追放されるか。究極の選択を前に、女性たちの心は揺れ、交わされる言葉に熱がこもる。それぞれの戸惑いや決意が行き交うなか、オーナ(ルーニー・マーラ)の「天国だけでなく 地上でも存在理由が必要よ」という言葉に、「何もしない」派のスカーフェイス・ヤンツは娘の手を取り立ち去ってしまう──。小ばかにしたような言い方のマリチェ、感情を露わに訴えるサロメ、静かに核心をついた言葉を発するオーナ。それぞれの女性たちの性質がそのままに表現されている、魂の議論シーンとなっている。

脚本の構成力、俳優陣の引力、そして物語の核となる女性たちの議論と選択の過程。それぞれの観点から深く味わうことのできる、至高の一作に仕上がっている。本作のムビチケオンラインは、現在ムビチケ公式サイトにて販売中。今後の続報にも期待してほしい。

【作品情報】

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
監督・脚本: サラ・ポーリー
キャスト:ルーニー・マーラ、クレア・フォイ、ジェシー・バックリー、ベン・ウィショー、フランシス・マクドーマンド ほか
製作:デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、フランシス・マクドーマンド
製作総指揮:ブラッド・ピット、リン・ルチベッロ=ブランカテッラ、エミリー・ジェイド・フォーリー
原作:ミリアム・トウズ(「WOMEN TALKING」)
配給:パルコ ユニバーサル映画 © 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
公式サイト
公式 Twitter:@womentalking_jp

6月2日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開

【関連記事】
映画「台風クラブ」脚本は”意味不明”? 名匠・相米慎二監督による圧巻の演出とは?<あらすじ 解説 考察 レビュー>
映画『恋する惑星』タランティーノ絶賛の恋愛映画。魅力が凝縮された4つの使用楽曲を解説<あらすじ 考察 評価 レビュー>
映画「エレファント」絶望的なラストに震える。実在する銃乱射事件を題材にした青春映画の傑作<あらすじ 考察 解説 評価>