「ガン以外のGoGはありえない」
本作が“難産”だったワケ
しかし、この新章に入ってからのMCUでは多くのヒーロー、キャストが卒業し、それに変わるスターがまだ生まれていない状況。それにテレビシリーズなどコンテンツが一気に増えたため、すべてを追いきれずに脱落してしまったという観客も多いのではないだろうか。それでも「ガーディアンズ」だけは観たいというアツいファンも多く、それが本作における「待望」の部分である。
一方、「ようやく」と言いたくなるのは、この作品自体がかなりの難産だったことにある。ジェームズ・ガン監督のスキャンダルによる降板、そして復帰劇や、コロナ禍による混乱などを経たことで、製作・公開が当初の予定よりかなり遅れてしまったのだ。2018年、すでに『GotG3』の撮影準備に入っていたガンだが、過去にTwitterで投稿していた不適切発言を咎められ、親会社のディズニーから解雇されてしまう。この処置に対してファンはもちろん、キャストやスタッフたちからも「ガン以外のGotGはありえない」という声があがり、復帰を願う署名運動なども行われた。
仕事を干された形になったガンは、アメコミ映画のもう一方の雄であるDCエクステンデッドユニバースに引き抜かれ、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(以下「極スー」)の監督・脚本を務めることになる。この『極スー』も、ガン節の効いた傑作だったが、公開される前に嘆願が届いたのか、解雇から9ヶ月後に『GotG 3』の監督に復帰することが決定。2021年から撮影が始まり、2023年5月に“ようやく“日本公開の運びとなった。