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“多様性のるつぼ”を実現するジェームズ・ガンの作家性

c Marvel Studios 2023

いまディズニーが製作するアニメや、その実写化作品ではポリコレ的な多様性を過敏に意識しているようで、配役に気を使ったり、改変をしては旧来のファンから批判を受けている。それに比べて、「GotG」は最初から多様性のるつぼだ。ガーディアンズのメンバーも、人間、エイリアン、改造サイボーグ、アライグマに木までいる。あえて何も言わなくても、お互いを自然に認め合い、「絆!」「仲間!」などと声高に叫ばなくても、友情や家族愛をしっかり感じさせてくれる。

これは『極スー』にも通底していたジェームズ・ガンならではのテイストで、はぐれものが力を合わせ、仲間のために大きな敵に挑むという、実は王道なストーリーラインに、多様性を自然に表現し、さらにシニカルなギャグやゴア描写を入れて照れ隠しをする。その結果、「観客はなんでこんなところで?」と思うようなシーンで大きな感動を味わうことになる。それには、ジェームズ・ガン自身がトロマ※という映画界の辺境の出身であり、そこで養ったセンスを今も忘れていないということなのだろう。

※トロマ・エンターテインメント。1974年に設立されたアメリカの映画製作会社。低予算のホラー映画やコメディ映画で知られる。

そんないつものガン節もありながら、今作はいつもよりほんの少し哀愁が効いているのは、最終章であることと、ロケットの秘められた過去が明かされるからだ。

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