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映画『トランスフォーマー』の人気キャラ・バンブルビーはなぜ喋れなくなった? 声優の演技に着目して作品の世界観を深掘り

text by 編集部

映画『トランスフォーマー』シリーズで登場する格好いいロボット達。その姿形や、迫力満点の戦闘シーンは高く評価されている。一方であまり評価されていないのが彼らのその特徴的な声だ。今回は彼らの声、そして本作の人気キャラであるバンブルビーが声を失った理由について現地のメディアを参考に解説していく。

バンブルビーは何故声を失ったのか?

バンブルビーGetty Images

映画『トランスフォーマー』は、アメリカの人気SFアクション映画で、その興行収入の総計は48億ドル(日本円で約6491億円)。映画シリーズとしては13番目に高い興行収入を記録している世界的に人気の映画シリーズである。

今回はそんな映画『トランスフォーマー』の人気キャラクターであるバンブルビーが、声を失った理由について米colliderを参考に解説していく。

オートボット軍団を率いる頼れる司令官「オプティマス・プライム」。声優を担当しているのは『くまのプーさん』イーヨー役でも名が広まっている声優ピーター・カレンだ。1980年代のトランスフォーマーのアニメ時代からこのキャラクターを演じている。

日本では、アーノルド・シュワルツェネッガーや、シルヴェスター・スタローン、スティーヴン・セガールなどの肉体派俳優陣の担当声優として活躍してきた玄田哲章が演じ、その深く権威のある声で多くの視聴者を魅了し続けている。

シリーズ最初の3作で、デストロン軍のリーダー「メガトロン」の声を担当したのは映画『マトリックス』エージェント・スミス役でお馴染みの俳優ヒューゴ・ウィーヴィング。ピーター・カレンが威嚇的な響きを避けた演技を行うのに対し、彼はその声の裏に恐ろしい危機感の存在を醸し出すことでこの破壊大帝を表現し、観客を沸かせた。

日本では、ゲームの「ソニック」シリーズの主人公ソニックの宿敵ドクター・エッグマンの2代目の声などを務める中村浩太郎がその声を演じた。

デストロン軍団の中核に存在するメガトロンの部下「スタースクリーム」の声を演じた声優チャーリー・アドラーはお調子者で、日和見主義者な性格を上手く表現し、鼻持ちならない副官スタースクリームを華麗に演じる。日本では、TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の武藤双六役などを務める宮澤正が声優を担当した。

そしてファン待望の人気キャラクターであるバンブルビーは、2018年の映画『バンブルビー』で、俳優ディラン・オブライエンが声優を担当。日本でバンブルビーの声を担当したのは「黒子のバスケ」で黄瀬涼太役としても知られる木村良平。このキャラクターの本当の声を聞くのにシリーズが始まってから10年以上の月日が掛かったが、その素敵な声で多くの観客を魅了した。

『トランスフォーマー』の前日譚である映画『バンブルビー』は、『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)で完結したこのフランチャイズシリーズを、再び再生させ、複雑になったストーリーを簡略化し、オートボット対デストロンという作品の原点に立ち返った作品だ。

オートボットとディセプティコンの戦争の最終日に、オプティマス・プライムが、当時オートボットの有能な斥候「B-127」として知られていたバンブルビーを、地球に送り、情勢を整えるための拠点を設け、敵から地球を守るよう命令する。

B-127はカリフォルニアの米軍が訓練している森へ不時着したが、米軍は攻撃されたと勘違いし彼へ反撃する。B-127は近くのジープをスキャンし脱出するが、ブリッツウィングというディセプティコンに待ち伏せされる。ブリッツウィングはB-127にオプティマスプライムの居場所に関する情報を求めるが、B-127は情報を渡すことを拒否。

それに怒ったブリッツウィングは、B-127の声帯を切り裂き、メモリーコアを破壊。負傷し気絶する前に、B-127はなんとかブリッツウィングを倒し、近くのキャンプ地に停車していたフォルクスワーゲン・ビートルをスキャンし、1967年製の黄色いビートルへと変身し機能を停止する。

18歳になる誕生日を翌日に控えたチャーリー・ワトソンは母と継父、弟と暮らしている。彼女の趣味は車いじりで、アルバイト後、ボートの修理工場で車のパーツを探し、そこで偶然にもビートルに扮した、B-127を発見する。

チャーリーはB-127を慰め、「バンブルビー」という新しい呼び名をつけた。しかしながら、B-127がチャーリーにより再び起動したことにより、彼の救難信号が宇宙へと自動的に発信される。それを受信したディセプティコンが2機、地球へとやってくる。

バンブルビーは会話することができず、2人の間にはコミュニケーションの問題があったが、そこでバンブルビーが偶然発見したのが「ラジオ」であった。彼は話すことができないが、ラジオのダイヤルを介し音声でのコミュニケーションを始めたのだ。

それは声帯を破壊され、会話ができないという問題に対する見事な解決策であり、『トランスフォーマー』シリーズの全作品でも見られる、どんな状況に陥っても既成概念に囚われないバンブルビーの発想力を証明するシーンでもあるのだ。

映画『バンブルビー』は、バンブルビーが一体何故声を失ったのかという魅力的な秘話を明かしてくれる。一方、バンブルビーが本当の声を取り戻す日を待望するファンも少なくない。

『トランスフォーマー』のプロジェクトの中には、確定しているものから、未確定なものまで多数存在し、もしかするとその1つに、バンブルビーが新しい声を手に入れる作品が含まれている可能性は十分に考えられる。最も可能性が高いのは映画『バンブルビー』の続編作品でバンブルビーが声を取り戻すというシナリオだ。

2019年に、映画プロデューサーのロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラは、この映画の続編が製作される可能性に言及。もしチャーリーがバンブルビーの新しいボイスボックスを作るのなら、映画『トランスフォーマー』の歴史に新たな一ページを刻むことになるだろう。

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