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あの名俳優も降ろされていた! 名作アニメ『ファインディング・ニモ』の製作裏話。製作途中で解雇された俳優とは?

text by 編集部

映画『ファインディング・ニモ』は、父マーリンと、母の命と引き換えに生まれた、一人息子ニモの親子2人が織りなす熱帯魚の感動的な物語だ。実はこの映画の製作中に解雇されていた俳優達がいるようだ。今回は現地のメディアを参考に『ファインディング・ニモ』製作中に解雇されてしまった俳優陣を紹介する。

実はあの名俳優が務めるはずだった?解雇された俳優は?

20年前にピクサー・アニメーション・スタジオは、神経質で憎めないカクレクマノミのマーリンという映画史上最高の父親キャラを世に生み出した。映画『ファインディング・ニモ』は、そんな父マーリンと、母の命と引き換えに生まれた、一人息子ニモという親子2人が織りなす熱帯魚の感動的な物語だ。

ある日、過保護な父マーリンに反発したニモは、1人でも平気ということをアピールするため、船に近づき、タッチをするという勇気を見せる。しかし、ニモはダイバーに見つかり、観賞用の魚として捕獲される。マーリンは息子を見つけ家に連れて帰るため、極度の忘れんぼうドリーと共に、海を横断する旅に出る。

映画『ファインディング・ニモ』は、素晴らしい声優陣なしでは成立しなかった作品である。しかし、米colliderによると、この映画のキャスティングは難航を極めたとのことだ。

マーリンの声優は、俳優アルバート・ブルックスが担当しているが、その以前はウィリアム・H・メイシーがそのセリフを担当していた。ウィリアム・H・メイシーは、映画『ファーゴ(1996)や、『エアフォース・ワン』(1997)など、多くのヒット作に出演している俳優。また、ポール・トーマス・アンダーソン監督作品の常連であるなど、映画ファンから一目置かれる存在だ。当時、彼の声優としての活動は比較的新しく、これまで2本プロジェクト参加しただけだった。

俳優のウィリアムHメイシーGetty Images

映画『ファインディング・ニモ』において、ウィリアムは素晴らしい演技を披露したという。しかし、彼の演技はドラマチックである分、映画のコメディ性を損なうという弊害も。ウィリアムはセリフのほとんどを録音したが、クリエイティブチームの判断により、『ファインディング・ニモ』から離れることになったという。

結局マーリン役は、最終的に映画『ドクター・ドリトル』(1998)で、ジェイクという喋る虎の声を担当した、コメディ界のレジェンドであるアルバート・ブルックスに託された。アルバートは、父親という存在が抱える不安の部分と、人懐っこさのバランスを巧みに熱演。『ファインディング・ニモ』のDVD解説によれば、本作監督のアンドリュー・スタントンは、ブルックスのマーリン役が「映画を救ったと感じた」と言及している。

マーリン役を務めた俳優のアルバートブルックスGetty Images

次に、米国シットコム『ふたりは友達?ウィル&グレイス』(1998〜)のカレン・ウォーカー役で知られる女優メーガン・ムラーリー。彼女もまた創造性の違いという理由で『ファインディング・ニモ』から解雇された一人だ。

女優のメーガンムラーリーGetty Images

UPI(ユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズ)によると、メーガンは米国のトークショー『The Wayne Brady Show(原題)』にて、「『ファインディング・ニモ』に参加した理由は、配役された未発表の役で、自分の創造性を発揮することが許されるという印象を持ったから」と語った。ところが『ファインディング・ニモ』も製作陣は彼女に『ふたりは友達? ウィル&グレイス』のカレン・ウォーカーのような甲高い声求めていたことを知り、彼女はそれを拒否。そのことが原因で製作陣は彼女を降板させることとなった。その後も結局メーガンがどの役を演じる予定だったかは明らかにされていない。

また、『ファインディング・ニモ』のキャスティングでは、俳優陣の選別が難しい役もあれば、簡単な役もあったとのこと。例えば、米トーク番組の人気司会者エレン・デジェネレスは、忘れっぽいが人懐っこい魚のドリーにぴったりだったとのこと。アンドリュー・スタントン監督は、『ファインディング・ニモ』のDVD解説で、当初はドリーのキャラクターを男性に設定する予定だったことを明かした。しかし監督は、テレビに出演するエレンが、トークの最中に色んな方向に話が飛んでいく様子を見たことから、物忘れの激しいドリーの役にピッタリだと思い起用したようだ。

女優のエレンデジェネレスGetty Images

ドリーはコミカルで陽気な雰囲気を醸し出したキャラだ。そこにエレンは揺るぎない優しさを付け加えた。ドリーのキャッチフレーズ「Just keep swimming”いいから泳ぎ続けて”」は、困難な時を耐え抜く名言として多くのファンに今でも愛され続けている。その後、彼女の明るいポジティブさは、映画の最高のシーンを生み出したとされ、エレンが演じたドリーは数々の賞を受賞した。

その後、アルバートとエレンの2人は、ドリーが行方不明だった家族を見つけることを中心とした物語『ファインディング・ドリー』にて、その役を再演。ウィレム・デフォー、アリソン・ジャネイ、ブラッド・ギャレットなどの豪華キャスト陣が、カメオ出演のため再登場を果たした。

一方、ウィリアムとメーガンも、異なるスタジオにて声優の仕事を数多くこなした。特にミーガンは『ボブズ・バーガーズ』(2011〜)、『ビー・ムービー』(2007)、『モンスター・ホテル2』(2015)などの作品で成功を収めている。

『ファインディング・ニモ』から去った2人の性格を考慮すると、再びピクサーの敷地に足を踏み入れることは考え難い。しかしもし彼らが復帰を望むのなら、この映画のファンに取っては嬉しい展開になるだろう。

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