名曲「アンダー・ザ・シー」に涙…。
活き活きと描かれる動物たちが素晴らしい
また、本作には、アニメ版『リトル・マーメイド』に登場する恋のキューピッド的存在である、カニのセバスチャン、カモメのスカットルの活躍も描かれる。
フランダーを含めたこの3匹は、物語上で、アリエルの姉妹より登場シーンが多く、王子とのキスを手助けする心強い存在となっている。
実写化されても動物たちの可愛らしさが1ミリたりとも損なわれていない点は称賛に価しよう。思わず現実世界でもこんな動物達がそばにいたらいいのにと思ってしまう程、親近感の湧く存在として描写されている。
魚のフランダーに関しては、一部生々しすぎるとの声も挙がっているようだが、筆者は、幼い少年のような声によって、アリエルの弟分としての人懐っこいキャラクターが見事に表現されていると感じた。
そして、カニのセバスチャンが、地上の生活に惹かれるアリエルを引き留めるため、海の生活の素晴らしさを歌う名曲「アンダー・ザ・シー」は素晴らしい。このシーンでは、曲に合わせ、ピンクのクラゲ、イルカ、ウミガメ、ウミウシ、イソギンチャクなど、色彩鮮やかな海の仲間達が次々と登場、観客を魅了する。アニメ版では歌わなかったアリエルもコーラスに参加し、美しい歌声を響かせる。
また、カモメであったスカットルは、実写版では水中の獲物を狙うカツオドリとして描かれている。それによりスカットルが水中に潜るシーンも登場するが、その映像は、鳥の躍動感と、海の壮大さがミックスする美しいものとなっている。
これらのシーンの色彩豊かな映像美は息を呑むほど美しく、アニメ版『リトル・マーメイド』のファンでも、驚かされるに違いない。