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『E.T.』以来の快挙を達成

俳優のレオナルド・ディカプリオ
俳優のレオナルドディカプリオGetty Images

ほぼ全ての映画作品が、公開最初の週末に、最大の数字を記録し、その後、週末が訪れるごとに、徐々に収益は減少するというのがお決まりの週末の興行収入記録の流れとなっている。

しかし『タイタニック』は違った。公開最初の週末は振るわなかったものの、その後ぐんぐん数字を伸ばし、数週間から数ヶ月後の興行成績において、映画史に新たな1ページを刻む大記録を残すことになる。

映画『タイタニック』は、公開後1ヶ月以上もの間、毎週末の興行収入が2,500 万ドルから3,000万ドルという高い水準をキープし続け、15週連続で興行収入1位を記録。これは、スティーブン・スピルバーグ監督の映画『E.T.』以来の快挙だ。

1998年3月23日、公開から3ヶ月以上経った後も、興行成績の王者に君臨した『タイタニック』。熱狂の輪はアメリカ国内にとどまらず、世界各国に広がった。

アカデミー賞では14部門にノミネート。作品賞含む11部門で受賞するという、映画『 ベン・ハー』(1959)と並ぶ史上最多受賞作となった。監督賞の受賞スピーチでは、キャメロン監督が、劇中のジャック(レオナルド・ディカプリオ)の台詞である「I’m the king of the world!(俺は世界の王だ!)」と叫び、歓喜を表した。

その後、1998年10月1日に北米での劇場公開を終えた映画『タイタニック』は、最終的に、全世界興行収入12億ドルという破格の記録を残した。

映画『タイタニック』を観て強く感動した人々は、その体験を家族や友人と分かち合い、1度の鑑賞だけでなく、あらゆる年齢層から何人もの人々が、2回、3回、場合によっては10回以上にも渡って、劇場に足を運んだ。破格の興行収入を売り上げた背景に作品の素晴らしいパワーがあることは言うまでもないだろう。

映画『タイタニック』では、技術的にも、物語の構成的にも、あらゆる手段を駆使し、観客に豪華客船体験をさせ、そのスリリングな高揚感や、乗客が耐えた途方もない悲劇を、リアルに体験させた。キャメロン監督と彼が選び、出演したキャスト、撮影クルー、映画スタジオは、その膨大な投資額から、一度は不利な立場に立たされたが、『タイタニック』を製作し、公開するというその大勝負に出たことで、結果的に歴史に残る作品を生み出すことに繋がったのだ。

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