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上映時間カットの危機にどう対処した? 映画『タイタニック』、 製作はギャンブルだった? 波乱に富んだ製作秘話を深掘り

text by 編集部

画家志望の青年ジャックと上流階級の娘ローズ、身分の違いを超えて強い絆で結ばれる2人の姿が、世界中を感動の渦に巻き込んだ映画史に残る永遠の名作『タイタニック』。本作の製作には数々の乗り越えるべき壁があり、映画界のギャンブル的作品でもあったようだ。今回は、そんな名作『タイタニック』の製作秘話を現地メディアを参考に紹介していく。

予算1億円オーバー
当初ディカプリオはスターじゃなかった!

映画『タイタニック』のワンシーン。見つめ合うジャック(レオナルド・ディカプリオ)とローズ(ケイト・ウィンスレット)
映画タイタニックのワンシーン見つめ合うジャックレオナルドディカプリオとローズケイトウィンスレットGetty Images

時折、観客の予想や期待を大きく覆す映画が登場し、その時代に神話的とも言える程の名作が生まれる瞬間が訪れる。

ジョージ・ルーカス監督の映画『スター・ウォーズ』、スティーブン・スピルバーグ監督の映画『E.T.』、クエンティン・タランティーノ監督の映画『パルプ・フィクション』などが上記のような名作として名を連ねているだろう。しかしその中でも一際目立っている作品が、ジェームズ・キャメロン監督の映画『タイタニック』だ。

映画『タイタニック』は、作品の規模や核心を捉える感情的表現、そして20世紀で最も伝説的な沈没事件を映画化したことで広く知られており、愛され続けている作品だ。

しかし、米colliderによると、今でこそ名作と知られる映画『タイタニック』の製作は、順風満帆なものとは程遠く、上映成功という未来の不確実性から来る不安感や、製作者の高い期待が入り混ざるという複雑で、繊細なものだったようだ。

キャメロン監督により構想され「タイタニック号版のロミオとジュリエット」として20世紀スタジオに売り込まれた本作。キャメロン監督は、タイタニック号の歴史を徹底的に調査し、一夜という短い船上での時間で、一瞬、星が交差するような運命的な出会いを果たす恋人の物語に焦点を当てた脚本の執筆に邁進。

当初は、予算1億1000万ドル、撮影日数138日。1997年7月2日を公開予定日とし、『タイタニック』の製作は1996年の夏に開始された。

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