⑧『ヘイトフル・エイト』(2015年製作)
どこまでも続く白銀の世界を疾走する1台の駅馬車が、行く手を阻む一人の男の前で停まる。北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン、椅子代わりに座っているのは、レッドロックへ運ぶお尋ね者3人の凍った死体だ。
この寒さで馬がやられ、誰かが通りかかって拾ってくれるのを待っていたのだ。馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・ルース。ゴツい腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグがつながれている。
1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯の女で、散々殴られた顔で不敵に笑っている。
迫り来る猛吹雪から避難するため、ルースはレッドロックまでの中継地で、うまいコーヒーにシチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士洋品店へ向かうが、途中でもう一人、クリス・マニックスを乗せる。
マニックスは新任保安官としてレッドロックへ向かう途中だと主張するが、彼が黒人殺しの南部の略奪団の一員だと知っているルースは信じない。
本作では、カート・ラッセルが演じた役柄のモデルがハーヴェイ・ワインスタインであったと証言される。