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超複雑な設定と画面の情報量に圧倒される

©2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERSARE TRADEMARKS OF HASBRO.©2023 HASBRO
©2023 PARAMOUNT PICTURES HASBRO TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERSARE TRADEMARKS OF HASBRO©2023 HASBRO

前章では『トランスフォーマー』シリーズ肥大化した物語について述べた。とはいえ、設定や歴史を掘り下げると深い沼となっているのが、このシリーズの魅力でもあるだろう。

本作における新トッピングは、「マクシマル」と呼ばれる動物スタイルからロボットに変形するトランスフォーマーが実写映画に初登場することだが、彼らはもともと『ビーストウォーズ』という独立したシリーズに登場するキャラクター。そのため、オートボットたちと競演・共闘するのは特別なこと。

それに各シリーズではそれぞれが唯一無二のリーダーなので、トラックは「オプティマス・プライム」、ゴリラは「オプティマス・プライマル」と名前も被ってしまっている。さらにテレビアニメの日本語版に準拠すると、どちらも「コンボイ」だったりするのでもっとややこしい。

さらにトランスワープとかタイムスリップなども関わってくるのだが、複雑な設定を知らなくても、鑑賞にはまったく問題ない。オートボット、マクシマル、テラーコンと3つの軍団に加えて、人間も武装して闘う展開と派手なバトルを見届ければ十分。流行りのワンカットで繋いでいく集団戦闘シーンでは、画面における情報量の多さに圧倒されるに違いない。

今年のサマーシーズンは、『トランスフォーマー』とならんで、実写版『バービー』も大ヒット。どちらもユニバース化を目論んでいるようで、そうなると「ハズブロ」VS「マテル」という、アメリカを代表するオモチャ会社による実写映画対決が始まるという展開に…。と、気を抜くとすぐウラを考えてしまうが、本当の意味で頭をカラにして体験すると、素直に楽しめるように出来ている極上のサマームービーだ。

(文・灸怜太)

【記事修正】
※2023.8.18情報の誤りがあり、記述を修正しました。

本作は8月4日に日本公開されるや、初登場6位と低調なスタート。2週目以降はトップテン圏外にランクダウンするなど、興行的には爆死といっていい様相を呈している。

本作は8月4日に日本公開されるや、観客動員数初登場6位(8月4日~8月6日の集計/興行通信社調べ)と低調なスタート。2週目以降もトップテン圏内をキープしているものの、スピンオフを除いて、シリーズ最低の国内興行収入を記録した『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)の初動に比べても低い数字を記録しており、興行的には爆死といっていい様相を呈している。

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