ウソのようなホントの話…ジョン・レノン出演までの舞台裏エピソードが仰天すぎる! ドキュメンタリー映画『リバイバル 69』
ビートルズ終焉ののろしになったとも言われる、ウッドストックと並び称されるロック史を大転換させた伝説の音楽フェスティバルの「真実」を描く傑作ドキュメンタリー『リバイバル 69 ~伝説のロックフェス~』が絶賛公開中だ。この度、ジョン・レノン出演までの仰天の舞台裏エピソードが明かされた。
フェス開催直前に別バンド結成?
飛行機でリハーサル?
「トロント・ロックンロール・リバイバル 1969」ではロックの創始者たちだけでなく、当時大人気の大物やさらにはジョン・レノンまでもが急遽参戦し、新旧のロック・スターたちによる圧巻のパフォーマンスが繰り広げられた。
しかし、その成立をめぐってはドタバタ劇を通り越してもはやカオスだった。関係者の口から明かされるウソのような本当の話とは!?未公開のバックステージやコンサート映像とともに当事者たちが初めて語る、半世紀ぶりに届けられた必見の「お宝映像&エピソード」。情熱と偶然、危機と奇跡が織りなす笑いと涙の舞台裏が今、ついに明かされる!
当初はロック・レジェンドが一堂に会したフェスになる予定だったが、チケットが売れず、当時大人気だったドアーズをブッキングするもチケットは売れなかったため、主催者のジョン・ブラウワーは音楽プロデューサーのキム・フォーリーから「ジョン・レノンに連絡しろ。レノンはチャック・ベリーとリトル・リチャードのファンだぞ」と説得され、MCとして急遽ジョン・レノンとオノ・ヨーコへ打診することに。
それは、ビートルズとしての実質上のラストアルバム『アビー・ロード』がリリースされるわずか2週間前、すでに公演まで1週間を切りカウントダウンが始まっていたギリギリのタイミングだった。
出演者の名前を聞いたジョンは、ロクに相手の話をきちんと聞かず、MCではなく出演者としてのオファーと勘違いし、参加することを快諾。しかも、ノーギャラで航空機代だけでの出演をOKしたという。すぐに協力してくれるメンバーを集め始める。結果、集結したメンバーはギターの神様エリック・クラプトン、後にイエスで活躍するアラン・ホワイト、クラウス・フォアマンの3人。
初めはジョージ・ハリソンに打診するも断られ、アラン・ホワイトはイタズラ電話だろうとジョン・レノンからの電話をガチャ切りする始末。当時無名のスタジオ・ミュージシャンだったアランの演奏をたまたま直前に観ていたジョン・レノンから打診があったのは、フェス開催の前日だったという。そしてついに訪れたフェス開催当日、ジョンは気分がノらないから「お詫びに花でも送っておいて」とマネージャーに伝える驚愕のやりとりが明かされる。
さらにクラプトンはジョンの話を信じていなかったのか忘れていたのか定かではないが空港に現れず、家まで迎えにいってギリギリ飛行機に飛び乗った。それを聞いたジョンはようやく出発することを決心するという、なんとも信じられない話しが当事者の肉声で語られる。極めつけは、飛行機の中でセットリストを考え、それぞれが楽器を持ち出してリハーサルを行ったという逸話だ。
オールディーズの曲を即興でセッションする様子が切り取られた貴重な写真もふんだんにスクリーンに映し出される。そして、ようやくトロントに到着したジョン一行を待ち受けていたのは、70人を超えるバイカー集団だった!
ビートルズとしてのライブ演奏以来初めての公の前でのステージとなったジョンは、このステージをきっかけにしてビートルズからの脱退を決意したと言われているが、その貴重なライブシーンだけでなく本番に至るまでの数々の伝説が、本人の肉声とともにようやく明らかとなる本作は、ビートルズファンだけでなく、すべての音楽ファン必見だろう。
【作品情報】
監督:ロン・チャップマン
2022 年/カナダ、フランス/英語/99 分/カラー/5.1ch/ビスタ/原題:REVIVAL69: The Concert That Rocked the World
字幕翻訳:川田菜保子 字幕監修:萩原健太 提供:東北新社/バップ 配給:STAR CHANNEL MOVIES
公式サイト
© ROCK N’ ROLL DOCUMENTARY PRODUCTIONS INC., TORONTO RNR REVIVAL PRODUCTIONS INC., CAPA PRESSE (LES FILMS A CINQ) 2022
全国にて絶賛公開中
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