監督の選曲センスが光る楽曲ー音楽の魅力
本作の音楽の選曲にも、ミュージックビデオ監督として名を馳せたウェブのセンスが溢れている。以下では、主題歌を含め、いくつかの楽曲を紹介しよう。
まずは冒頭、トムとサマーのこれまでの人生を振り返る映像とともに流れるのは、レジーナ・スペクターの「Us」だ。アップテンポで間断なく続くピアノの音色とレジーナの伸びやかな歌声が印象的なこの曲は、本作の「夏の始まり」にふさわしい胸がときめくような曲になってる。
トムたちが街の人々と歌い踊るミュージカルシーンで流れる曲は、ダリル・ホール&ジョン・オーツの「You Make My Dreams」。
映画『ウェディング・シンガー』(1998年)などでも使われた曲で、小気味よいギターのリズムでトムの高揚感を表現している。
また、トムとサマーが散歩するシーンや、別れた後に電車で出会い寒暖するシーンで流れる曲は、オーストラリアのインディーロックバンド、ザ・テンパー・トラップの「Sweet Disposition」。開放的な曲調と伸びやかなボーカルが爽やかで、2人の門出を期待させる音楽に仕上がっている。
そして、エンディングで流れる曲は、イギリスのインディーロックバンド、マムラの「She’s Got You High」だ。しっとりとしたアコースティックギターの音色が、新たな「秋の訪れ」を感じさせる曲に仕上がっている。
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