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“ローリング・キティ”はあくまでも経済弱者の味方

『ダム・マネーウォール街を狙え!』
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それでもギルの生活ぶりは変わらない。日々のルーティンであるランニングと、家庭では育児も家事もこなす。

ここで株を売ってしまえば莫大な現金を手にし、“億り人”として悠々自適な人生が待っているにも関わらず、決して売り抜けたりせず、支持者のためにYouTube配信を続ける。

“ローリング・キティ”はあくまでも経済弱者の味方なのだ。

しかしある日、ギルのYouTubeチャンネルが“BAN(アカウント停止)”されてしまう。その裏にはウォール街からの圧力が働いたことが窺えるが、確固たる証拠はない。

その間、「ギルがゲームストップ社の株を売った」という噂が流れ、株価は下落していく。全てはヘッジファンドの思惑通りに事が進んでいく。

さらに、全国ニュースで取り上げられたことで連邦議会から問題視され、オンラインの公聴会に召喚されてしまう。その場で「株価操作」と断じられてしまえば、ギルは刑務所送りだ。

この最大のピンチに、妻の協力もあって、ギルは株に対する思い、辿ってきた半生、そして、もはや埋めようがない国内の経済格差について説く。

その心がこもった言葉に質問した議員たちも納得する。ギルは人生最大の危機を乗り超えたのだ。

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