関係者によるヴィルヌーヴ監督への評価
著名な映画撮影監督ロジャー・ディーキンスは、ヴィルヌーヴの『ブレードランナー2049』で初オスカーを受賞。ディーキンスは「アンドレイ・タルコフスキーとアンドレイ・ズビャギンツェフという2人の偉大な映画の巨匠のように、ドゥニは1つのシーンをその時間の中で展開させる」「ドゥニの作品には、あまりにも稀な正直さがある」とヴィルヌーヴを評価している。
映画『ブロークバック・マウンテン』(2005)や、映画『ゾディアック』(2007)に出演する、俳優ジェイク・ギレンホールは、2013年のカナダ映画『複製された男』の前にヴィルヌーヴと出会っており、ヴィルヌーヴの米国での初監督作品『プリズナーズ』ですぐに再タッグを組んだ。
「『複製された男』で最初に出会った時、ヴィルヌーヴは他の作品を作る前にこの作品を作らなければならないと私に言いました。彼は物語に惚れ込み、そのヴィジョンを形にするまで他のことが手につかないんだ」とヴィルヌーヴの素晴らしさをギレンホールは振り返り「彼は決して自分のエゴに支配されない映画監督だ」と彼のユーモアセンスと撮影現場での態度についても話している。
映画『アメリカン・ギャングスター』(2007)や、映画『ミルク』(2008)の俳優ジョシュ・ブローリンは、2014年に映画『ボーダーライン』のニューメキシコの撮影現場に足を踏み入れた瞬間から、ヴィルヌーヴの “卓越した基準”を認知したという。
「ヴィルヌーヴをヴィルヌーヴたらしめているのは、虚飾のなさだ。常に学ぶべきことがあり、その学びによって、彼は次の作品に昇華する。だから『ボーダーライン』も素晴らしい経験だったが『デューン』はもっと深い経験だった」とブローリンは語る。
映画『デューン 砂の惑星PART2』のプレスツアーで韓国に滞在中のヴィルヌーヴ監督(56)は現地メディア米The Hollywood Reporterの取材に応じ、ハリウッドで仕事をすることに当初は消極的だったこと、そして『デューン』3部作について語った。
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