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映画『ゴジラ』がキングコングから受けた影響とは? 世界的な人気を誇る両怪獣の長く複雑な歴史を解説

text by 編集部

アメリカ文化の代表的モンスター”キングコング”と、核の恐怖の象徴の”ゴジラ”。流行り廃りを繰り返す怪獣映画作品がさらなる盛り上がりを生み出すために、現在両者にとって、お互いの存在はより重要性を帯びている。今回は、現地メディア米Movie Webを参考に、ライバル関係であるキングコングとゴジラの歴史をご紹介していく。

ゴジラとキングコングの長く複雑な歴史

メリアン・C・クーパー監督
メリアンCクーパー監督Getty Images

レジェンダリー・ピクチャーズ/ワーナー・ブラザース/東宝の『モンスターバース』の次章として公開される映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』(2024)は、巨大モンスターが登場するスペクタクル映画のシンプルな楽しさを思い出させてくれる作品だ。

怪獣映画は、ストップモーション撮影や、着ぐるみの使用、CGI技術と時代によって進化を遂げてきた。怪獣キングコングと、怪獣ゴジラへの関心の復活を試みるアダム・ウィンガード監督による今回の超大作は、これまでの怪獣映画の歴史や伝統に従っていることが伺える作品となっている。

怪獣映画の歴史を振り返る上でもっとも重要な作品の一つは、特殊撮影の黎明期、つまりサイレン映画時代の終わりからわずか数年後に公開を迎えたB級映画『キングコング』(1933)だ。

軍人として第一次世界大戦、第二次世界大戦に参加したメリアンC.クーパーが企画を担当し、クーパーと同じく第一次世界大戦に通信部隊のカメラマンとして参加した経験のあるアーネストB.ショーサックが共同監督を務め、製作されたこの作品は、公開後、地球の反対側である影響を起こす。日本の映画監督である円谷英二がこの作品に注目したのだ。円谷は映画『ゴジラ』(1954)に特殊技術として参加している。

怪獣ゴジラの最も古いインスピレーションは、1933年の、映画『キングコング』まで遡る。円谷は何時間もかけ『キングコング』を研究し、特殊効果クリエイターであるウィリス・オブライエンの同作でのストップモーション技術を精査。彼の特殊効果の技術を一コマずつ分析したという。

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