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「エンニオ・モリコーネ特選上映」公開迫る! 映画『ラ・カリファ』主演女優ロミー・シュナイダーの経歴を紹介

text by 編集部

あの名曲が、スクリーンに甦る! 『死刑台のメロディ』、『ラ・カリファ』の2作品が、4/19(金)より『エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2』と題して公開される。今回は、『ラ・カリファ』の主演女優ロミー・シュナイダーの、華々しくもスキャンダラスな経歴をご紹介する。

今世紀最高の女優ロミー・シュナイダーに酔いしれる!

©1970 RTI
©1970 RTI

名匠エンニオ・モリコーネが手がけた『死刑台のメロディ』(71)4Kリマスター・英語版と、待望の日本初公開となる『ラ・カリファ』(70)の名曲映画2作品が、4/19(金)より新宿武蔵野館ほかにて公開となる。

その91年の生涯で、500作品以上もの映画・TV作品の音楽を手がけた映画音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネ(1928-2020)。昨年劇場公開されたジュゼッペ・トルナトーレ監督によるドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(21)での大きな感動と称賛を経て、『荒野の用心棒』(64)『夕陽のガンマン』(65)『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(66)の“ドル3部作”が4K劇場リバイバルされるなど、再びモリコーネ・リスペクト、再評価の動きが高まっている。

50年の時を経てついに日本初公開となる『ラ・カリファ』(70)。モリコーネファンでなくても、一度は耳にしたことがある名曲がテーマ曲として使われ、数あるモリコーネのスコアの中でも人気上位曲として知られている。

敵対する工場長とストライキの女性リーダーの禁断の恋を描く社会派メロドラマで、ロミー・シュナイダーが許されぬ恋におちる女性を体当たりで演じ、モリコーネによる甘美なメロディが物語の結末に寄り添っていく。

そんな本作で、テーマ曲に負けず劣らずの魅力を放つのがやはり主演のロミー・シュナイダーだろう。

©1970 RTI
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マリリン・モンローやカトリーヌ・ドヌーヴらを抑え、「今世紀最高の女優」(仏CSA調べ)に選出されるなど、ヨーロッパ最大の映画スターとして絶大な人気を誇り、日本でも2022年に「ロミー・シュナイダー映画祭」が開催され盛況を博した。

1938年、ナチスドイツの支配下に置かれた直後のオーストリア・ウィーンの名門俳優一家の元に生まれ、両親の離婚後、不遇の幼少時代を過ごすが14歳で女優になることを決意。

55年の西ドイツ映画『プリンセス・シシー』の后妃エリザベート役によって一躍欧州でスターとなる。

その後『恋ひとすじに』(58)で共演したアラン・ドロンと恋に落ち婚約。ルキノ・ヴィスコンティ演出の舞台やオムニバス『ボッカチオ‘70』(62)の一編「仕事中」、オーソン・ウェルズ監督の『審判』(62)、またゴールデングローブ賞主演女優賞候補となった『枢機卿』(63)など精力的に女優業に邁進。

再びエリザベートを演じた『ルートヴィヒ』(72)、イヴ・モンタンと共演した『夕なぎ』(72)、フランス全土で大反響を巻き起こした『追想』(75)と多くの傑作、話題作に出演、“世界最高峰の女優”として名を馳せる。

残念ながら私生活ではアラン・ドロンとの破局後は、結婚を繰り返し、度重なる色恋沙汰、破産、さらには元夫の自殺や息子の事故死など度重なるスキャンダルやゴシップに苛まれていた彼女。

それでも、ロミー・シュナイダーがひとたびスクリーンに現れると、その眩いばかりの輝きは観る者をくぎ付けにしてしまう。そんな彼女の主演作の待望の日本公開に映画ファンは期待をせずにはいられない!

永遠のフィルム・マエストロ、エンニオ・モリコーネの功績と存在に改めて想いを馳せながら、ロミー・シュナイダーの魅力が凝縮された『ラ・カリファ』にぜひ酔いしれていただきたい!

ラ・カリファ(LA CALIFFA)

©1970 RTI
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モリコーネの甘美なメロディが心に沁みる─。最盛期前夜のロミー・シュナイダーが許されぬ恋におちる女性を体当たりで演じた社会派メロドラマが、待望の日本初公開!

かつての仲間だった工場長とストライキの女性リーダーが恋におちてゆく社会派メロドラマ。32歳の女盛りを迎えた凛々しいロミー・シュナイダーと、『Mr.レディ Mr.マダム』シリーズのウーゴ・トニャッツィが禁断の恋を演じる。

本作のテーマ曲は、数あるモリコーネのスコアの中で人気の高い曲として知られているが、映画自体は日本では劇場未公開だった。今回ファン待望の日本初公開が実現する。監督は脚本家として活躍し、本作で監督デビューを飾ったアルベルト・ベヴィラクア。

★1971年度カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品 ★1971年度デヴィッド・ディ・ドナテッロ 主演男優賞受賞(ウーゴ・トニャッツィ)

【作品情報】

監督・脚本:アルベルト・ベヴィラクア
撮影:ロベルト・ジェラルディ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ロミー・シュナイダー、ウーゴ・トニャッツィ、マリーナ・ベルティ、マッシモ・ファネッリ、ロベルト・ビサッコ
1970年/イタリア・フランス/ドラマ/原題:LA CALIFFA/91分/イタリア語モノラル
©1970 RTI

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