ブギーナイツ 【ネタバレあり】あらすじ
ハリウッドスターに憧れるエディは、ブルース・リーのポスターが貼ってある自室で悶々とした日々を送っている。ある日、エディは恋人にセックスのテクニックを絶賛され、「俺はこれでビッグスターになる」と宣言。ジャックはディスコを訪れ、ローラーガールにエディと関係を持つように指示し、彼のポルノ男優としての素質を確かめようとする。
第一テストをパスしたエディはジャックの家に招かれ、今度は彼の目の前でローラーガールと性交するのだった。
その日、帰りが遅くなったエディは母親と口論に。趣味を否定され「負け犬」呼ばわりされると、荷物をまとめて家を飛び出した。ジャックの家で暮らすことになったエディは、ジャックからポルノ男優として先輩にあたるリードとバック紹介してもらう。
ジャックの豪邸には資産家や若い娘が集まり、毎夜のようにパーティーが開かれている。エディはパーティーでポルノ映画のスタッフ・スコティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と親交を深め、出資者のジェームズ大佐(ロバート・リッジリー)のアドバイスをもとに、芸名を「ダーク・ディグラー」とすることに決める。
エディの男優デビューの日がやってきた。ジャック、スコティらが見守る中、アンバーを相手に見事な腰つかいを披露し、周囲の賞賛を得る。それからというものの、エディはポルノ男優として人気を高めていき、共演者であるリード、監督のジャックもそれにあやかって、名声を得ていく。ポルノ業界の新人賞を獲得したエディは、壇上でポルノ映画にかける思いを吐露し、「人のためになる作品」を作り続けると高らかに宣言するのだった。
エディとジャックはスパイ映画のパロディ『ブロック・ランダース(でかい固まり)』を制作し、大ヒット。エディは豪華な家に高級車を手に入れ、贅沢のかぎりを尽くす。
そんな中、ジャックの家で1970年代の終わりを祝う大規模パーティーが開かれることになった。出席者の1人・フロイド(フィリップ・ベイカー・ホール)は、「今後はアダルトビデオが主流になり、ポルノ映画は衰退していく」と語り、ジャックに新しいビジネスを持ちかけるが、断られる。
ジャックは誇りを持ってポルノ映画を制作しており、隆盛を極めるポルノ映画業界が衰退するなんてことは考えもしないのだった。
エディはアンバーから勧められたドラッグを摂取しハイになると、リードからストリップダンサーのトッド(トーマス・ジェーン)を紹介される。年が明けようとする中、エディは突然スコティからキスをされ、告白を受ける。スコティはエディから拒絶され、1人涙を流すのだった。
新年へのカウントダウンが始まった。そんな中、リトル・ビルは妻の浮気現場を目撃。拳銃で妻を射殺すると、銃口をこめかみに当て、自殺する。
1980年代に突入すると、フロイドの予言どおり、ポルノ映画業界に暗雲が立ち込める。ジェームズ大佐は未成年の少女と性交渉をした罪で逮捕され、ジャックは有力なパトロンを失う。
エディのドラッグ中毒は撮影に支障をきたすほどに悪化。ひょんなことから、新人男優・ジョニー・ドウと一悶着を起こすと、ジャックから呆れられ、クビを言い渡されてしまう。職を失ったエディはリードと共に歌手デビューを画策するも、鳴かず飛ばずで終わる。
一方のジャックもビデオを使ったアダルト作品の制作に取り掛かるが、そこにはかつてのようなクリエイティブな情熱はない。ジャックは落ち目の監督となり、アンバーとローラーガールは、薬物依存をより強めていく。
登場人物それぞれの人生の歯車は狂っていく。バックは心機一転オーディオ店を開こうとするものの、ポルノ俳優だった過去がたたり、融資を断られてしまう。元夫との裁判に敗れたアンバーは子供の親権を失い、失意のどん底に突き落とされる。ジャックはアーティストとしての矜持を捨て、ローラーガールを使い、素人モノのアダルトビデオを制作する。
追い込まれたエディとリードは、トッドからとある計画に誘われる。それは、大富豪に偽物のドラッグを大金で売りつけるというものだ。3人は薬物中毒の大富豪・ラハド(アルフレッド・モリーナ)の家に乗り込むも、トッドが欲を見せたため途中でトラブルになり、銃を向けあう展開に。銃撃戦の末、トッドは死亡。エディとリードはその場から逃げ出した。
完全に落ちぶれたエディ。助けを求めて訪れた先はジャックのもとである。ジャックとアンバーはエディを優しく受け入れる。バックは念願叶い、オーディオ店の開店にこぎつけた。アンバーはスコッティとカートとともに、店のプロモーションビデオを制作。かつて業界人の溜まり場だったモーリスのディスコ店は、ナイトクラブに様変わり。リードは得意の手品を武器に、マジシャンに転身。ローラーガールは高校に復学を果たした。
かつてポルノ業界を支えた面々が久しぶりにジャックの家に集まった。ジャックはエディを主演にした新作映画を構想。本番直前、エディは鏡の前で精神を集中させている。「俺はスターだ」と自分に言い聞かせたエディは、自信に満ちた顔つきで撮影現場に向かうのだった。