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作品のテーマを効果的に表現するポップな挿入歌〜音楽の魅力

本作に登場する曲は主に4つ。デニス・ブラウン『Things in Life』とママス&パパス『夢のカリフォルニア』、ダイナ・ワシントン『縁は異なもの』、そしてフェイ・ウォン自身が歌う『夢中人』である。

『Things in Life』は「変化し続ける世界で、互いに信頼関係を築き、理解し合いたい」という本作のテーマをそのまま表現したような曲。本作では複数回流れるが、印象的なのは金城演じるモウとブリジット・リン演じる謎の女がバーで出会うシーンで、ジュークボックスから流れている。

『縁は異なもの』が流れるのは第2部、警官663号がフェイの店を訪れてデートに誘うシーンである。なお、この曲の歌詞は、昨日まで希望が持てなかった自分に愛を告白してくれる人が現れ人生が一変するという内容で、こちらもこのシーンにぴったりの曲だといえる。

『夢のカリフォルニア』は、警官663号の彼女のお気に入りという設定で何度か登場。その後、フェイが警官663号の部屋を模様替えしているシーンでも劇中内で再生される曲としてそして流れる。また、ラストでは、警官663号の前にフェイがCAに扮して登場する場面で流れ、彼女がカリフォルニアへと旅立つことを示唆する。

アイルランドのロック・バンド、The Cranberries
アイルランドのロックバンドThe CranberriesGetty Images

そしてラストで流れるのは、フェイ自身が歌う『夢中人』。アイルランドのロック・バンド、クランベリー(TheCranberries)のヒット曲『Dreams』のカヴァーとして、世界的にヒットした曲である。本曲でフェイは夢の中の恋を歌っており、香港の幻想的な雰囲気にぴったりの曲に仕上がっている。

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