インタビューからわかるそれぞれの想い
アーティストやアイドルのライブ映画は、基本的にはファンが観る前提として構成されていることが多いが、今作は、たとえファンじゃなくてもわかりやすく楽しめるように構成されている点も素晴らしい。各メンバーのソロ曲のパフォーマンス前に、そのメンバーの紹介映像が挟まれたり、それぞれがソロ曲に込めた想いやコンセプトについてインタビューで語ってくれているので、その後のライブパフォーマンスをより楽しむことができる。
例えば「カリナはとても面白いです」と、他メンバーがカリナについて紹介する映像が流れた後に、カリナが「他の3人が面白くないだけ(笑)」と、愛嬌たっぷりにコメントしたりする。
そんな彼女が、「一人でステージに立つのが怖い」と本音を明かすシーンや、スッピンにレッスン着で必死に練習する姿、ライブ前に緊張している姿なども流れる。そしてその後、ロンドン公演での完璧なソロステージ「Menagerie」が大スクリーンに“バーン!”と映し出されるのだ。もうこんなの、好きになってしまうに決まっている!
ウィンターは、“aespaのウィンター”と、“キム・ミンジョン(ウィンターの本名)”の違いについて語るインタビューが印象的だった。彼女の伸びやかで美しい歌声が存分に堪能できるバラード「Lips」は、「これは絶対にいつか生で聴きたい!」と、虜となった。きっとライブで聴いたら感動して泣いてしまうと思う。それぐらい、美しかった。
ジゼルは「ホットガール」とインタビューで紹介されていたが、ソロステージ「2HOT4U (SYNK: HYPER LINE Ver.)」が本当にジゼルにピッタリな、力強くセクシーなパフォーマンスで、彼女の魅力を存分に見せつけていた。
グループの末っ子・ニンニン。実力派揃いのaespaの中でも、抜群の声量で魅了する彼女が、普段はこんなに可愛らしい女の子なんだと、この映画を観て初めて知った。かと思えば「Wake Up (English Ver.)」はラップを織り交ぜたクールなパフォーマンスで、そのギャップに魅了される。どのソロ曲も、メンバーの個性をそれぞれ活かした楽曲となっていて、ガッツリと心を掴まれるのだ。