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なぜDCEUはMCUになり得なかったのか

(c) 2023 Warner Bros.Ent.All Rights Reserved. TM&(c)DC
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さて、原因は様々あると考えられるが、主な要因はキャラクターと世界観ではないだろうか。

特にキャラクターは、命運がはっきりと分かれている。

というのも、DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)のキャラクターはどこか真面目で近寄りがたい雰囲気を出しており、また出演作品も少ないため、中々感情移入をすることが難しい。

対してMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)は、個性的で親しみやすいキャラクターを生み出しており、また作品もキャラクター毎に個別の映画を制作し、そして『アベンジャーズ』でキャラクターが集結するという機会を演出した。そのため観客としては、キャラクターに深く感情移入することが出来るのである。

また世界観についても、DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)は暗く重たいシリアスなトーンで物語が進行するため、人によっては合わない場合があった。

しかしMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)は、ユーモアとシリアスのバランスが上手くとれており、多くの観客に受け入れやすい世界観を提供しているのである。

もちろんその他にも考えられる原因はあるかと思うが、結果としてDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)になり得ることが出来ず、その幕を閉じてしまうことになった。

とはいえ、最近はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)も世界観が拡大し過ぎたため、古参のファンだけが楽しめる存在となりつつあり、新参のファンは参加がしにくくなっている。そのため個人的には、今後展開されるDCU(DCユニバース)に期待を寄せたい。

DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)最後の作品となった『アクアマン 失われた王国』は地球温暖を中心とした環境問題、そして社会問題をテーマとして掲げつつも、壮大な冒険劇と世界観、母親の愛や兄弟の絆といった映画として欠かせない要素が盛り沢山含まれている超大作である。

暗い世界観が多かったDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)であるが、本作は笑いあり感動ありのエンターテイメント作品に仕上がっており、多くの人が楽しむことが出来るだろう。

DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)が終わってしまうのは非常に残念ではあるが、本作の世界観をより進化させたDCU(DCユニバース)に期待を寄せつつ、次こそはライバルであるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)を倒し、アメコミ界の王者となっていただきたいものである。

(文・ニャンコ)

【作品情報】
『アクアマン/失われた王国』
2024年1月全国ロードショー
監督・製作・原案:ジェームズ・ワン
出演:ジェイソン・モモア/パトリック・ウィルソン/アンバー・ハード/ニコール・キッドマン
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト

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