連綿と継承される“挑戦的な絵”というドグマ
同作の公開から15年以上が経過した2020年、監督がマイケル・ベイから、アディル・エル・アルビとビラル・ファラーの2人に交代して『バッドボーイズ フォー・ライフ』(2020年)が公開された。
アディルとビラルは、『バッドボーイズ』を見て育ち、いつの日か続編を撮りたいと熱望していたそうだ。そのため、シリーズにおけるカメラワークの重要性とそのユニークさを熟知していたのだろう。サークルショットを筆頭に、『バッドボーイズ』=“挑戦的な絵”というドグマはしっかりと受け継いでいる。
なんと、クライマックスの戦闘シーンでは唐突にカメラを90度傾けるという荒技を見せているのだ。これが効果的だったかどうかは別として、角度を変えたあとに吹き抜けの建物を縦移動する映像は、観客に強い印象を残したに違いない。