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東洋的と西洋が融合した独自の世界ー脚本の魅力

スコット・デリクソン
監督のスコットデリクソンGetty Images

本作の脚本の特徴といえば、まずは原作に沿った分かりやすい物語設定という点が挙げられるだろう。

交通事故に遭った天才外科医が、事故の後遺症を治すためにそれまでの傲岸不遜な性格を改め、魔術師に弟子入りするー。このあらすじだけでストレンジがヒーローになった経緯や彼のキャラクターも分かり、マーベル作品に親しみのない観客でもすんなりと感情移入できる仕様になっている。

また、カンフーや禅といった東洋のエッセンスを物語に取り込んだ『マトリックス』同様、東洋的な世界観と西洋的な世界観が融合しているのも大きな特徴だろう。

とりわけ本作の場合、主人公がスピリチュアルから最も遠い職業でもある医師に設定されており、一般的なヒーロー映画よりも主人公のキャラクターに深みがプラスされている。

なお、監督のデリクソンは、もともとホラー映画を得意とする作家として知られている。外科医がスピリチュアルに触れるという本作の設定にホラー的な世界観は、あながち間違いではないかもしれない。

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