ドラマの内容がゲーム『Fallout』の正史に組み込まれることの凄さ
また、原作となるゲームでは舞台となる世界こそ同じものの、タイトルごとに時代も場所も違っており、それぞれの物語には繋がりがない。だからこそドラマの物語はオリジナルでなんら問題がなく、そこにまったく不自然さを感じない。それどころかゲームをプレイしている人にとっては「そういうクエストもあったかもね~」と感じるほどゲームの延長線上に違和感なくこのドラマが存在するような没入感があるのだ。
そして本ドラマが人気ゲームに便乗したただの実写化ではないと言えるのは、ドラマのなかでゲームの世界観の核心部分に触れ、しかもゲーム世界の根底をばっちりと描いてしまっているからである。もはやこのドラマ自体が『Fallout』の正史のひとつであると言っても間違いないのである。
こうしたドラマとゲームの地続き感はドラマを観た人の多くが感じていたのだろう、欧州では2015年に発売されたゲームの『Fallout4』がドラマの効果によって週間売上ランキングで1位になったという(GamesIndustry)。