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合わせて読みたい一冊

『ラヴクラフト全集(全7巻)』東京創元推理文庫

H・P・ラヴクラフト著『狂気の山脈にて』
HPラヴクラフト著狂気の山脈にてSF雑誌アスタウンディングGetty Images

人知を超えた神とは人間にとっては絶対的な恐怖であることを教えてくれ、圧倒的恐怖の存在を見ただけで人間は死んでしまうほど無力であることを我々に教えてくれたのがコズミックホラーの金字塔クトゥルフ神話を生み出した作家、H・P・ラヴクラフトである。

存命中こそ作品が評価されることはなかったが、死後に彼の友人がラヴクラフトの作品世界をクトゥルフ神話として体系化したことで現代に語り継がれることとなった、もはやホラーの聖典と言っても過言ではないのが本書のシリーズである。

人類が抗うことのできない恐怖の対象として登場する神々は、ゴジラという絶対的な破壊神との共通点も多い。もちろんゴジラは宇宙からやってきたものではなく水爆実験によって生み出されたものではあるが、ゴジラという絶対的恐怖の存在と遭遇した時の絶望感はクトゥルフ神話に登場する神々と同様で、この圧倒的な絶望感が病みつきとなった人にはぜひ同様の絶望感を味わえる本書シリーズをおすすめしたい。

ちなみに2019年のハリウッド版ゴジラである『キング・オブ・モンスターズ』は明らかにこのラヴクラフトのクトゥルー神話をゴジラストーリーのベースとしているのがわかる

(文・すずきたけし)

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