“若きカリスマ”ジョン・F・ケネディの暗殺
米国時間の1963年11月22日、オープンカーでダラス市内をパレードしていたケネディ大統領が銃撃され死亡する事件が起こる。容疑者として拘束された元海兵隊員オズワルドも移送中、公衆の面前で射殺され、真相は闇に葬られる。
事件から28年後の1991年、ストーン監督による映画『JFK』が世界的ヒットにより機運が高まり、翌年には新法案が可決し、膨大な文書が機密解除されるなど事件の再調査が活気を帯びるが、真実はわからないまま年月だけが過ぎていく。
本作は、『JFK』のロバート・リチャードソンが撮影を担当し、ナレーションは俳優のウーピー・ゴールドバーグとドナルド・サザーランドが担当するなど、ドキュメンタリーとすれば豪華なキャスティングで製作された。
東西冷戦のさなか、選挙で選ばれた大統領としては史上最も若い43歳で大統領に就任したケネディは、世界平和を願う米国人の期待を一身に担う存在となる。
歴代大統領の中で最も知名度が高く、ニューヨークの国際空港にもその名が刻まれているほど、現在でも尊敬の対象となっている。しかし、その在任期間は1036日で、現職のバイデン大統領を除くと歴代7番目の短さだ。
1961年1月に大統領に就任し、その2年10か月後、ダラスで凶弾に倒れることになったからだ。
米国の大統領はそれ以前にも、第16代のリンカーン、第20代のガーフィールド、第25代のマッキンリーが在任期間中に暗殺されている。また、第40代のレーガン大統領の暗殺未遂事件も起こった。