多民族国家アメリカが抱える”宿命”
日本で生きているとどうしても、「米国は治安が悪く、銃社会だから…」と感じてしまいがちだ。しかしながら、歴史を紐解いていくと、暗殺された米国大統領は4人。
対して日本では、初代の伊藤博文から数えると6人もの総理大臣が暗殺され、昨年の安倍晋三前首相への銃撃事件を“暗殺”と定義するならば、米国で起きたで悲劇の数を上回るのだ。
国家トップの暗殺という国を根幹を揺るがす事態として、この問題は他山の石ではないのだ。米国大統領の命が狙われるのは、絶えず分断が起きる多民族国家のトップの“宿命”ともいえるだろう。
4件の大統領暗殺事件の中でも、今もなお注目を集め続けるのが、ケネディの事件だ。それはケネディの人気を裏付けるものだが、唯一、“真犯人”が不明なままだからだろう。
オープンカーでダラス市街地をパレードするケネディの頭部を銃弾が貫く。沿道のビルから狙撃したのは、元海兵隊員のリー・ハーヴェイ・オズワルドとされ、その身柄が拘束される。
しかしわずか2日後、移送中のオズワルドを、ナイトクラブのオーナーだったジャック・ルビーが射殺する。結果、「死人に口なし」となり、大統領暗殺の完全なる真相は闇に葬られる。