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タランティーノの映画愛が炸裂した“超B級映画”―演出の魅力

クエンティン・タランティーノ
クエンティンタランティーノGetty Images

本作は、『パルプ・フィクション』(1994年)や『レザボア・ドッグス』(1992年)で知られる名匠クエンティン・タランティーノによるバイオレンスアクション第一弾。主演のザ・プライドをユマ・サーマンが演じる。タイトルを直訳すると「ビルを殺す」となる。

本作の特色。それは、脚本や配役、そして音楽に至るまであらゆるモチーフが過去の映画、とりわけ「B級映画」の引用から成り立っていることに尽きるだろう。

タランティーノは、特定の映画学校には行かず、カリフォルニアのレンタルビデオ店で働きながら湯水のように映画を見ていた。とりわけ、彼が愛したのは、日本のヤクザ映画や香港のカンフー映画といったB級映画だったという。

本作は、そんな彼が自身のB級映画に関する記憶をパッチワークのようにより合わされており、全編通してタランティーノのB級映画愛がひしひしと感じられる作品に仕上がっている。

なお、ブルース・リーよろしく黄色のトラックスーツに身を包み、日本刀を真一文字に構えたユマ・サーマンが印象的なキービジュアルは、いまやアメリカ映画を代表するものとなっている。そうした意味で、本作は、“偉大なるアマチュア”であり続けるタランティーノの代名詞的な作品と言えるかもしれない。

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