まさに不朽の名作… 月日が経っても色褪せない魅力とは? 映画『オペラ座の怪人 4Kデジタルリマスター』考察&評価レビュー
text by 藤崎萌恵
1986年のロンドン初演から世界各国で上演され続けている大人気ミュージカルを原作とした映画『オペラ座の怪人』(2004)。公開20周年を記念して、4Kデジタルリマスター版がTOHOシネマズ⽇⽐⾕ほかで公開中だ。クリアな映像で蘇った名作を多角的な視点で解説する。(文・藤崎萌恵)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価】
不朽の名作『オペラ座の怪人』とは?
世界各国で上演されてきた至高のミュージカル『オペラ座の怪人』を、名匠ジョエル・シュマッカー監督が2004年に映画化した本作は、作曲を担当したアンドリュー・ロイド=ウェバーが製作・脚本も手掛け、絢爛豪華な美術や衣装、美しい音楽で情感たっぷりに愛を描いている。
物語の舞台は19世紀パリ・オペラ座。誰からも愛されずオペラ座の地下に棲みついた怪人“ファントム”は、正体を隠したまま、愛するクリスティーヌに音楽を教え、“音楽の天使”を信じる彼女をプリマドンナへと仕立て上げる。
クリスティーヌは幼馴染のラウル子爵に恋心を抱きつつも、素晴らしい芸術の才能を持ちながら孤独を背負うファントムに惹かれていく。程なくして彼女はその仮面の下に隠された秘密を知ることになる。そしてそれを機に、オペラ座全体を震撼させる事件が次々と起きていく。
上記の筋立てをもつ本作は、1870年のパリの雰囲気に存分に浸ることができる上、美しくも悲劇的なロマンスが現実を忘れさせてくれる作品となっている。
本稿では、2024年の今、不朽の名作映画『オペラ座の怪人』を鑑賞する意義について、作品の魅力を紐解きながら解説していく。