コスチュームプレイにぴったりの荘厳な楽曲―音楽の魅力
本作の音楽を担当したのは、映画音楽家のデヴィッド・ジュリアン。ノーラン監督作品では『フォロウィング』(1999)『メメント』(2000)『インソムニア』(2002)の音楽を担当している。
本作のジュリアンの音楽は、正直なところかなり地味な印象があるが、ヴィクトリア朝時代のイギリスという本作の舞台をイメージさせる荘厳な曲調で、本作の作品世界にふさわしい楽曲に仕上がっている。
『Man’s Reach Exceeds His Imagination』は、重々しい弦楽器の音色が印象的な楽曲。アンジャーとボーデンのドラマを決して邪魔せず、鑑賞者を深い闇へと引き摺り込んでいくように響き渡る。
また、本作のテーマを最も端的に表している『Sacrifice』は、重々しい弦楽器の音色に、ノイズの音が重なる。洞穴に吹く風のようなノイズの音が、アンジャーとボーデンの虚ろな心を表している。
なお、米国版の主題歌は、トム・ヨークの『Analyse』(日本版はGacktの『RETURNER〜闇の旋律〜』)で、デヴィッド・ボウイとトム・ヨークというロック界の2大スターの揃い踏みとなった。
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