完璧な日常における最悪の出会い
完璧な日常のなかで最悪の出会いを果たしたサンウとジェヨン。予測不能な感情と行動が起動し、完璧だった日常がバグり始める──。
“セマンティックエラー”とは、プログラミングにあたり、記述に文法上の誤りはないのに、意味が違ったり矛盾があったりすることによって生じるエラーのこと。
本作では思いがけないエラーが発生し、それが恋と気づくまでの過程を緻密に描く。
コンピューター工学科の大学3年生のチュ・サンウは秀才で変わり者。精巧にプログラミングされた規則通りの毎日を過ごし、自分のルーティンを乱されることを何よりも嫌う完璧主義者。
一方、デザイン科の4年生のチャン・ジェヨンは破天荒でモデル並みのイケメンモテ男。自由奔放で感性のままに行動する彼は、サンウとは正反対のタイプである。
ある日サンウは、グループ課題の講義を1人で発表する羽目になり、不参加メンバーを教授に通報。サンウと同じグループだったジェヨンは卒業後に留学する予定だったが、講義をさぼったことで卒業が取り消しになってしまった。
ジェヨンはサンウを探し出して完璧な彼の日常を崩そうと嫌がらせを始め、サンウの日常にエラーが生じていく。サンウとジェヨン、隠と陽とも言える二人の出会いが実に見事な化学反応を起こすことになる。
サンウは極めて几帳面な性格で、缶コーヒーを買う時間まで決まっているのだが、ジェヨンはそのルーティンのひとつである缶コーヒーを事前に買い占めていた。さらにサンウのお気に入りの席を先に確保したりと、早起きしてまで嫌がらせをする徹底ぶりを見せる。
サンウはジェヨンに苛立ちを覚えるなか、無視をすることにしたのだがどうも上手くいかない。仕方なくこのエラーみたいなジェヨンにサンウは対抗策を講じる。これにより、頑固なサンウがついに行動パターンを変えざるを得なくなるのだ。