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五感と体験できらめきを感じる22番

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だが、一度でも夢が叶った後の虚無感を感じてしまった人間は、ずっとそのままなのだろうか? あるいは、一度も夢を持ったことがない人間は、永遠に「きらめき」を感じないままなのだろうか?

それは違う。少なくともジョーと22番は違った。作中では、ひょんなことから22番のソウルが人間界のジョーの肉体に入ってしまうが、そこで五感を手に入れた22番は「きらめき」を見つけていくのである。

それは何も大それたことではない。足を使って地面に立ち、歩いたり走ったりすること。ピザや飴を食べること。髪を切ってもらいながら美容師とお喋りすること。そんなちょっとしたことだ。それでも、初めて人間界に来た22番にとっては、何もかもが新鮮できらめいて見えたのだ。

ここでポイントなのが、22番はこれらを知識としてあらかじめ知っていたという点だ。ソウルの世界にいた時から教えてもらっていたのである。だが、「きらめき」は決して知るものではない。それは五感をフル活用し、自らの身を持って体感するものだ。

人間には、リスクや痛みがあると分かっていても尚、体験でしか得られない喜びがある。何ならリスクや痛みだって体験しないと得られないのだから、その観点から言えば、すべての経験は、広い意味での「喜び」であると言えるかもしれない。22番の変化を見て、筆者はそう感じた。

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