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「声優2人の信頼関係が映像から伝わってくる」プロデューサーに訊く『劇場版 ブルーロック -EPISODE 凪-』の魅力

主人公・潔 世一で描かれる大人気サッカーアニメ『ブルーロック』を、本作の人気キャラクター・凪 誠士郎の視点で描いた『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』が4月19日から全国公開。今回は、TVシリーズから引き続きプロデューサーを担当した有澤亮哉氏にインタビューを敢行。TVシリーズが大ヒットした理由や、原作者・金城先生との貴重な会話など、たっぷり語っていただいた。(取材・文:タナカシカ)

「『ブルーロック』に対して熱くなってくれている」
『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』へ、スタッフの軌跡

©金城宗幸・三宮宏太・ノ村優介・講談社/「劇場版ブルーロック」製作委員会 
©金城宗幸三宮宏太ノ村優介講談社劇場版ブルーロック製作委員会

ーーTVシリーズから引き継ぎ、本作のプロデューサーをご担当されていますが、まずは今回、劇場版企画が立った経緯から教えていただきたいです。

「TVシリーズ放送前から原作の人気が大きく伸びていて、かなり盛り上がっている状態からTVシリーズの放送をスタートできました。その事前の盛り上がりもあって、当初から続編も作ろうという話をしていました。

ですが正式に決定した際、現実的に2期を放送まではどうしても時間がかかる先ということで、この盛り上がりを冷まさないように、1期と2期の間に総集編映画を1本上映したいと考えました。ファンの方に『ブルーロック』が動き続けている、熱が冷めず持続していると思ってもらいたかったのが発端です。

総集編とはいっても、ただの総集編ではなく新作映像入れて切り口を変えることを考えていた頃に、「別冊少年マガジン」(講談社)で『ブルーロック –EPISODE 凪-』の連載が始まったので、アニメと同じ時間を凪の視点から振り返る形にしたら、面白い総集編になるのでは…と企画を練り直しつつが正式に動き出しました。

しかし制作を進めていくにあたりどんどんスタッフの熱も上がっていき、最終的にTVシリーズと重複するシーンはあるものの、シナリオは完全新作状態になりました。『ブルーロック』の盛り上がり、そのお客さんの声と、それを受けたエイトビットさんやスタッフ達の熱、皆さんの「エゴ」が今回の『劇場版ブルーロック –EPISODE 凪-』として形になったと思います」

ーー『劇場版ブルーロック』チームの現場の雰囲気はいかがでしたか?

「今回の『EPISODE 凪』の場合、まだ原作のストックがなかったので、石川(俊介)監督と構成・脚本の岸本(卓)さんと、原作の金城(宗幸)先生も交えて相談ながらシナリオを作っていきました。

一部TVシリーズの映像を流用していくという特殊な制作方法に関しては模索しながら作っていたので、その塩梅を調整するのは結構大変でしたし、TVシリーズで副監督として全体を見てくださっていた石川監督でなければ成立しなかったと思います。

手探りな部分はありましたが、シナリオ決定稿になる際には、『これなら間違いなく「ブルーロック」の映画だって言える!』と、スタッフ全員が納得できるものにできたと思います」

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