ルッキズムが蔓延した韓国社会の暗部を描く
幼い頃から歌って踊るのが大好きで、華やかなスポットライトを浴びるのが夢だったキム・モミ。だが母親からは「その顔で歌手に?目を覚ましな」、同級生からは「おい、ブサイク」と容赦ない言葉を浴びせられ、厳しい現実にぶち当たる。
平凡な会社員になった27歳のモミは、仕事から帰るとマスクをかぶり、豊満なバストを強調する衣装とウィッグを身に着け、“マスクガール”としてライブ動画配信をして人気を集めるようになる。
冴えない会社員のチュ・オナムもマスクガールの熱烈なファンだったが、その正体が同僚のモミだと気づいた彼は、彼女に対し一方的に恋心を募らせていく。そんなある日、モミはマスクガールのファンだと近づいてきた男にモーテルに連れ込まれる。
「マスクガールはかなりのブス。でもヤルつもり」という男の投稿でモミの危機を察知したオナムは現場に駆けつけるが、そこで目にしたのはモミに突き飛ばされた弾みで頭を強打し血まみれになった男の姿だった。オナムは後始末を買って出るも、男が突然意識を取り戻すと気が動転。咄嗟にナイフを握り、男をメッタ刺しにしてしまう。
モミはこの事件直後に退職。「これが最後」と言ってマスクガールの配信を始める。それを見たオナムは居ても立ってもいられなくなり、モミの自宅に押しかけ強引に性行為に及ぶ。だがその最中、モミはベッドわきに忍ばせていたアイスピックでオナムを何度も突き刺すのだった。
連絡が取れなくなった息子の身を案じた母親のキム・キョンジャが警官とともにオナムのマンションに足を踏み入れると、そこには切断された男の遺体が。数カ月後、山中でオナムの遺体も発見される。行方をくらませていたモミは指名手配され、キョンジャは復讐を遂げるべくモミの足取りを追い始める。