【注目ポイント③】
原作とは180°違うモミとチュネの関係性
すべてをリセットするために整形し、逃亡を図ったモミ。歓楽街のクラブでショーガールとして働き始めた彼女が出会ったのが同い年のチュネだった。
原作と最も異なる部分だとキム監督が語るのがモミとチュネの関係性だ。原作では2人はケンカが絶えず、最後はモミがチュネを殺す設定になっているが、キム監督は脚本を書き進めるうち、似通った人生を歩んできた2人が絆を築いていくほうが自然ではないかと考えて設定を変更したのだという。
そのため本作では、男に失望した過去を持ち、美容整形で美しく生まれ変わった2人が互いの窮地を救い合いながら生き抜く様が描かれる。チュネはキョンジャの追跡からモミを守り、モミはDVヒモ男からチュネを解放するために力を貸す。
2人の友情は、殺伐としたこの物語の中でひときわ輝いて見える。もしかしたらモミは、ショーガールとしてチュネと一緒にステージに立っていた時代が最も幸せだったのではないだろうか。